独自モデム開発は難航しつつも粘り強く続けそう

iPhone SE 4に影響? アップル、クアルコムとの5Gモデム契約を2027年まで延長

昨年アップルは、クアルコムからiPhone向け5Gモデムチップ供給を受ける契約を2026年まで延長すると発表した。その理由は同社が独自の5Gモデム開発に苦戦しており、時間稼ぎするためとみられている。

それに続き、少なくとも2027年までは、アップル製品がクアルコム製モデムを採用し続けることが明らかになった。

このニュースは、クアルコムCEOのクリスチアーノ・アーモン氏が、2024年度第1四半期決算発表の会見で述べたことだ。アーモン氏はアップルが特許ライセンス契約を2027年3月まで延長することに同意したとして「アップルとの関係に満足している」と語っている。

記事執筆時点では、アップルは契約延長につきコメントしていない。とはいえ、このニュースは驚きではないだろう。

アップルは長年、独自の5Gモデム開発を続けていることは公然の秘密だ。2019年にはインテルのスマートフォン向けモデム事業を10億ドルで買収し、1万7000件以上の特許と2200人以上のスタッフを手中に収めている。それでも、開発は順調とは言い難いようだ。

2022年末の時点では、社内で開発した試作機はクアルコム製よりも「3年遅れ」の水準に留まっていたとThe Wall Street Journalは報道。当初は2023年秋、つまりiPhone 15シリーズに搭載する予定だったが、2024年へと延期。それも間に合わないと判断し、クアルコムとの契約延長に踏み切ったと伝えていた。

一時は5Gモデムの独自開発を断念したとの噂話も流れたが、アップルの社内事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者がこれを否定。「非常に困難」だとしながらも、取り組みは続けていくと述べていた

そこで気になるのが、次期廉価モデル「iPhone SE4」のゆくえだろう。モデムチップは全世界の様々な通信インフラに対応する必要があるため、当初から想定通りの性能を発揮できるとは限らない。そこで、「まず廉価モデルに搭載し、様子見してからフラッグシップ機に採用」という段階を踏むと見られているからだ。

実際、独自5Gモデム開発の遅れから、iPhone SE 4も2026年まで延期との予想もあった。クアルコムとの契約延長は、本製品のさらなる発売延期に繋がる可能性もあるわけだ。しかし、一方では2025年発売とのリーク情報もあった

フラッグシップ機よりも広い客層に届きやすいiPhone SEシリーズは、アップルにとっても戦略的に重要な位置づけだ。現行の第3世代モデルが登場してから、まもなく2年。独自モデムとの紐付けを断ち切り、来年に後継モデルを投入するのか、今後の動きを注視したいところだ。

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