当分はクアルコムへの依存が続きそう

「iPhone SE4」2024年内の発売は中止か。最大の勝者はクアルコム?

Image:ALDECA studio/Shutterstock.com

アップルの次期廉価スマートフォン「iPhone SE4」の第4世代モデルにつき、少なくとも2024年内に発売される予定はなくなったとのアナリスト予測が報じられている。

昨年末、iPhone SE4(仮)の量産計画が中止されるか、2024年まで延期されるとの有力情報が伝えられていた。それを発信していた有名アナリストMing-Chi Kuo氏が、「2024年内の発売も中止」へと予想を修正した次第である。

Kuo氏のブログ記事によると、アップルはサプライチェーンに対して「2024年内のiPhone SE4の生産・出荷計画は延期ではなく中止にする」と通知したそうだ。信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏も、次期iPhone SEの画面サイズや仕様が決まっていないと述べていたが、生産パートナーもアップルの指示待ちだったようだ。

最新のブログ記事で興味深いのは、iPhone SE4の発売キャンセルにより「最大の勝者がクアルコムである」と主張されていることだ。Kuo氏は、iPhone SE4とアップル独自開発のモデムチップを密接に関連付けているからである。

Kuo氏によると、アップルは自社製モデムチップの性能がクアルコム製に及ばないとの懸念から、まず廉価なiPhone SE4に同チップを搭載し、そのテスト結果を受けて「iPhone 16」(2024年発売の上位シリーズ)に採用するかどうかを決める予定だったという。

が、iPhone SE4の発売中止によって、iPhone 16での独自モデムチップ採用はなくなったと示唆。そのためにクアルコムが引き続きフラグシップiPhone向けチップを独占供給する可能性が大きく高まった、というわけだ。

以前クアルコムの幹部は「2023年にはアップル製品に搭載されるモデムチップのわずか20%しか受注できない」として、iPhone 15(仮)にはアップル独自開発モデムが投入されるとほのめかしていた。しかし、その後にアップルが独自モデム開発に苦戦しているとの有力情報から、今後数年はクアルコムの独占供給が続くとの予想もあった

ちなみに現行の第3世代iPhone SEにはクアルコム製の5G対応モデム「Snapdragon X57」が搭載されている。またiPhone 15には「Snapdragon X70」モデムが採用されるとの予想だ。それにiPhone 14での目玉機能の1つである衛星通信も、クアルコムの技術あればこそだ。

またクアルコムはCES 2023にて、Androidで衛星経由の双方向メッセージングおよび緊急SOSが利用できるサービス「Snapdragon Satellite」を発表したばかりだ。モデムチップは、全世界での運用ノウハウが基礎となる分野だけに、アップルの独自開発も一筋縄ではいかなさそうだ。

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