クアルコムは大喜び?
アップル、5Gモデムの独自開発を断念か。「iPhone SE 4」発売を加速?
アップルが5Gモデムチップを独自開発しているとの噂は、複数の情報源が伝えてきたことだ。その道のりはかなり難航していることも窺われていたが、ついに開発中止したと著名リーカーが主張している。
韓国Naverブログのリークアカウントyeux1122氏は、アップルが「5Gモデム開発部門や人材に対する継続的な投資を整理する段階に入った」と述べている。つまり、第4世代iPhone SEなどの自社製品に搭載する試みは失敗となり、独自設計モデム開発は「完全整理」が予想されるとのことだ。
これまでyeux1122氏は、「15インチMacBook AirにM3チップは搭載されない」等の予想を的中させており、アップル情報につき信頼性が高い人物だ。
これとは別に、やはり実績あるリーカーRevegnus氏が「複数の情報筋」から同様の話を聞いたと述べている。ソースの1つにyeux1122氏の発言を挙げているが、それ以外でも裏付けを取ったようだ。
今回の噂話は、部品を調達するサプライチェーン関係ではなく、より秘密性の高いアップル社内の開発部門絡みであることから、現時点でどこまで正確か判断するのは時期尚早だろう。
とはいえ、アップルがモデム開発に悪戦苦闘しており、昨年末には「iPhone内部の半分以上」のスペースを占めており、クアルコム製より「3年遅れ」の水準に留まっていることは、The Wall Street Journalも報じていた。
アップルは5年以上前から独自モデムを計画していると噂され、2019年にはインテルのスマートフォン事業の大半を買収した。さらに、クアルコムからも人材を引き抜いて数千人ものエンジニアを抱え、2023年秋に自社製品に搭載する予定だったと伝えられていた。
そうした遅れは、クアルコムとの5Gモデム供給契約を3年延長したことからも推測された。以前クアルコムの幹部は「2023年にはアップル製品に搭載されるモデムチップのわずか20%しか供給できない」との予想を語っていたことから、同社にとっても予想外の(大口の顧客を繋ぎ止めるという意味ではうれしい)事態かもしれない。
しかし、今回の噂が本当だとすれば、iPhone SE 4を待ち望む人にとっては朗報かもしれない。いまだに第4世代が発売されていないのは「5Gモデムのテスト機」として、モデム開発の遅れに引きずられていた可能性があるからだ。
アップルにとっても、次世代iPhone SEは莫大なユーザー数が見込めるミドルレンジ機として重要な製品となるはず。そちらの続報を待ちたいところだ。