性能や信頼性は未知数

アップル、独自の5Gモデムを2025年「iPhone SE 4」から搭載?

Image:DANIEL CONSTANTE/Shutterstock.com

アップルは5Gモデムチップを自社開発していると見られているが、いよいよ2025年からiPhoneに初採用すると著名アナリストが主張している。

アップルのサプライチェーン情報に精通するMing-Chi Kuo氏は、今後クアルコムの売上が落ち込むであろうと述べ、その要因を列挙している。一つは、中国HUAWEIが2024年から独自開発の新型Kirinプロセッサーを新型スマートフォンに全面採用するため、Snapdragonチップの受注が失われることだ。

もう一つが、「アップルが2025年から独自のモデムチップを採用する」との見通しである。それ以上の詳細は「今後説明する」とのことで、どの製品に自社開発モデムを搭載するかは言及していない。

アップルは、5年以上前から独自のモデムを計画していると噂されており、2019年にはインテルのスマートフォンモデム事業の大半を買収している。Kuo氏の2025年説に基づけば、「iPhone 15」と「iPhone 16」世代ではクアルコム製チップを採用し続け、iPhoneへの独自モデムチップ搭載は「iPhone 17」以降ということになる。

そして2025年といえば、廉価モデルの第4世代「iPhone SE 4」の発売が予想されるタイミングでもある。

モデムチップは全世界の様々な通信インフラに対応する必要があるため、当初から想定通りのパフォーマンスを発揮できるとは限らない。そのため、まず「廉価モデルに搭載し、様子見してからフラッグシップモデルに採用」という戦略から、iPhone SE 4と独自5Gモデムチップはセットだと複数のアナリストが主張している次第だ。

アップル独自開発の5Gモデムがクアルコム製と比べて、ユーザーにどれほどのメリットがあるかは不明だ。が、少なくともiPhoneのクアルコムに対する依存度は下げられるだろう。

アップルは2016年、iPhoneの一部モデルでインテル製モデムチップを採用し、クアルコムに対する特許使用料の支払いを停止。そして2017年には両社とも互いに訴訟を起こした後、2019年に和解している。その際アップルはクアルコムに和解金を支払い、6年間のライセンス契約(+2年間の延長オプション)と複数年のチップ供給を受けることで合意していた

つまり「2027年まではクアルコムからモデムチップを調達できる」わけだが、独自モデム開発が2025年に間に合うのか、iPhone SE 4の行方はどうなるのか、今後も注視したいところだ。

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