発売は2025年第1四半期説が有力
期待の「Switch 2」どんなゲーム機に? 噂から分かってきたその姿
Nintendo Switchの後継モデル、通称「スイッチ2」が準備中であることは、現行のスイッチが8年目に突入している事実からも明らかだ。
任天堂は「ライフサイクルにとらわれることなく」と述べていたが、すでに1年以上前の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』もパワー不足のため動作がカクついていた。
前ハードの大成功を受け継ぐスイッチ2は、どんなゲーム機となるのか。これまでの自称リークや噂話を駆け足で振り返っていこう。
搭載チップは車載用のカスタム版、「素の性能」は高くない?
初代スイッチの搭載チップはTegra X1カスタマイズ版だったが、スイッチ2はTegra Orin(T234)チップのカスタマイズ版である「T239」だとみられている。どちらも同じNVIDIA製であり、互換性がある可能性が高い。
もともとTegra Orinは車載用チップであり、2020年に発表されたもの。つまり、元になったチップは数年前からあり、スイッチ2の開発も早くから始まっていてもおかしくはない。大手メディアの噂話は2020年にまで遡るが、何らかの動きをつかんでいた可能性がある。
T239はダイサイズをTegra Orinから小さくし、2,048基あったCUDAコアを1,280基へと削減。これにより携帯機モードもあるスイッチ2に搭載可能として、性能を落としつつも消費電力も削減するというわけだ。
これらは噂話の域を出ないが、近年のゲーム機開発が発売の3~4年以上前から始まることや、任天堂のゲーム機が高性能を追求しない傾向を考えれば、おおむね辻褄が合う。
また現行スイッチも古めのチップを採用したおかげで、PS5やXbox Series X|Sのようにチップの供給不足に苦しむことはなかった。以上から、スイッチ2の搭載チップは生産性・省電力を重視、つまり「素の性能」は現世代ハードには及ばないとみられる。
超解像技術とレイトレーシングで表現力を底上げか
ここでいう「素の性能」とは、単純な演算能力やレンダリング能力のことだ。実際、複数の情報源から「スイッチ2はSteam Deck以下」や「PS4並」との予想が伝えられてきた。
だが、最近はゲーム専用機とゲーミングPCを問わず、「素の性能」を底上げする技術が重んじられている。
その1つが、機械学習により画像の見かけを高解像度に変換する「超解像技術」だ。スイッチ2はNVIDIAの超解像技術DLSSが、ほとんどのゲームに使われるという。元の画像を低解像度でレンダリングすれば、システムへの負荷が減り、処理落ちや発熱も少なくなるだろう。
もう1つがレイトレーシング、すなわち光の屈折と反射を計算してレンダリングする技術だ。T234の「カスタマイズ」には、そうしたDLSSやレイトレーシング対応も含まれているようだ。
その結果が、任天堂がひそかにデモを見せたという『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』4K/60fps版であり、PS5並のクオリティという『The Matrix Awakens』なのだろう。
初代スイッチのソフトが動く「後方互換性」ありか
現行スイッチのユーザーにとって、最も気になるのが「ソフトがそのまま動く」後方互換性の有無だろう。
この点については「イエス」との噂が相次いでいた。任天堂社内でも「既存の機能をすべて維持」するプロジェクトがあり、開発キットで後方互換性を確認したとの証言もあり、著名リーカーも肯定している。
さらに任天堂の古川社長も、後方互換性を示唆するような発言をしている。もっとも、任天堂は「ファミコンからスーパーファミコン」(互換性を断絶)や「ゲームキューブからWii、そしてWii U」(互換性を維持)の両パターンあるため、予断は禁物だろう。
液晶モデルと有機ELモデルの2種類?
現行のスイッチは、発売から数年後に有機ELモデルを投入してバリエーションを増やしていた。それがスイッチ2でも再現されるとの噂もいくつかあった。
すなわち、まず8インチ液晶モデルを発売して、数か月後に高価な有機ELモデルを発売するという具合だ。
ほか、ゲームカートリッジも使える標準モデルと、デジタル(ダウンロードソフト)専用の廉価モデルという構成になるとの自称リークもあった。
いずれにせよ、最近のゲームプラットフォームは「機能省略版のベースモデルと高価かつ高機能モデル」の2本立てが恒例となっている。任天堂がソニーやマイクロソフトの例にならっても不自然ではない。
コントローラーは互換性あり、ただしマグネット取付け式に?
これまでコントローラーの噂は不思議となかったが、少し前にスペインのニュースサイトVandalが「任天堂ゲーム機用のアクセサリーや周辺機器メーカー数社」から独占情報を入手したと主張した。ざっと次の通りだ。
- スイッチ2のコントローラーは画面にマグネットで取り付ける方式(現行スイッチは本体左右のレールにはめ込む)
- 現行のJoy-Conとの完全な互換性は難しいが、現行のスイッチProコントローラーは使える可能性あり
- スイッチの本体サイズはSteam Deckには及ばないものの、現行スイッチより大きい
そこまで詳しいものではないが、ザックリ言えば「現行スイッチとボタン配置が近い」ということであり、後方互換性が実現する可能性が高まった感はある。
価格はPS5に近いとの試算もあり
初代スイッチは、現世代ゲームハードの中では低価格である。だがベースモデルであっても、スイッチ2は400ドル以上、という説が固まりつつある。
まず著名リーカーは、通常モデルが449ドル、ダウンロード専用モデルは400ドルと主張。さらに「RTX 2050内蔵のノートPCに性能が近い」との推測から399~400ドルとの見積もりもあった。
2024年4月末ごろは、だいたい1ドル158円前後で推移していた。このレートであればスイッチ2は約6万3000円で、現行の有機ELモデルより2万5000円以上も高く、PS5にも迫る勢いだ。
ゲーム機ビジネスは「ハードウェアを原価近くで売り、ソフトウェアのライセンス料で儲ける」パターンとなりやすい。任天堂がいかなる判断を下すか興味深いところだ。