NVIDIA製チップならスイッチとの後方互換も実現?

Switch後継機、NVIDIA「T239」チップ採用か。CUDAコア1280基の可能性

Image:CryptoFX/Shutterstock.com

任天堂の次世代ゲーム機「スイッチ2(仮称)」が2024年内の発売に向けて有力視されているなか、もっか焦点は搭載SoCに移っている。先日もMediaTek製の最新チップが採用されるとの噂が伝えられたが、オーバースペックではないかとの指摘もあった。

そんななか、スイッチ2のGPUはNVIDIAのAmpereアーキテクチャを採用し、1,280基のCUDAコアを搭載すると著名リーカーが主張している。

GPU関連の有名リーカーKepler_L2氏は、NVIDIAがAmpere GPUアーキテクチャに基づく2つのカスタムSoCを開発している手がかりを発見。このうちT239がスイッチ2用だと主張した。

この「T239」ことTegra239チップは、約1年前からスイッチ2用のSoCだと噂に上っていた。Tegra Orin(T234)チップのカスタマイズ版とされたが、現行スイッチのTegra X1も同じくNVIDIA製であり、互換性のある可能性が高い。

さらに、2人のリーカーKopite7kimi氏とTech_Reve氏が、このT239がサムスンの8nmプロセス(ないし改良版)により製造されると述べている。

Kopite7kimi氏は、サムスンの「SEC8N」がスイッチ2用SoCの製造に使われると主張。かたやTech_Reve氏はサムスン8nmプロセスの改良版である「7LPH」技術だという。いずれにせよ、ゲーム専用機でさえ5nmチップを搭載する現在では、「枯れた技術」であり、製造コスト的にも妥当と言えそうだ。

さてスイッチ2用SoCの仕様に関しては、NVIDIA関連で信頼性の高いリーカーKittyYYuko氏が、スイッチ2用SoCにはA78(CPUコアCortex-A78)8基と1,280基のCUDAコアが搭載されると述べている。

NVIDIA製のGPUにおいて、CUDAコア数はおおよその性能の目安となる。スイッチ現行モデルのTegra X1のCUDAコア数は256基であり、1280はちょうど5倍である。ほかクロック周波数などGPU性能に影響する要素は色々とあるが、かなりパワフルになることは間違いない。

オリジナルのOrinチップは2,048基のCUDAコアを搭載したGPUと、12基のARM Cortex-A78AE(A78に自動運転機能を追加)コアを搭載したCPUを備えている。本来Orinは車載用チップのため、おそらく携帯ゲーム機モードもあるスイッチ2用にコア数を減らし、機能を控えめにするのは理に適っているだろう。

今年ドイツで開催されたゲームイベントgamescomにて、スイッチ2の技術デモを見たという証言が相次いでいた。たとえば『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』改良版ではNVIDIAのDLSS超解像技術が使われていたが、それはDLSS 3.5ではなかったとの指摘もあった

これは、上記の「スイッチ2のGPUはAmpereアーキテクチャ」説と符合している。なぜならDLSS 3はAmpere世代GPUには対応しておらず、新しいAda Lovelace世代でしか動作しないからだ。

また、昨年3月、NVIDIAにサイバー攻撃が仕掛けられた際にDLSS関連のコードが流出し、スイッチ2がレイトレーシングおよびDLSS 2.2に対応する可能性も浮上していた。

これらのリーク情報は整合性が取れている印象もあり、スイッチ2の性能はかなり見えてきたといっていいだろう。同じNVIDIAのTegra系チップであれば、後方互換性(旧モデルのソフトが動く)を実現しやすく、現行スイッチの豊富なソフト資産も引き継げる可能性が高いはずだ。

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