サムスンはMacBook売上の低迷を懸念?

有機EL版MacBook Pro、発売は2027年か。先にデルやHPから有機ELノートPC登場の可能性

Image:pisaphotography/Shutterstock.com

アップルは、まずApple Watch、さらにiPhoneという具合に有機ELディスプレイの採用を自社製品に広めている。今年3月末には有機EL画面を搭載した新型iPad Proが発表・発売すると予想され、その後にMacBook Proが続く見通しだ。

これまで有機EL版MacBook Proは2026年発売との予想が有力だったが、2027年に延びると韓国の電子業界誌The Elecが報じている。

有機ELディスプレイは自発光する素子により豊かな色彩や高いコントラスト比を実現しつつ、バックライトが不要になるため、液晶画面よりも薄型にしやすく消費電力も少ない。かつて有機EL版MacBook Proは2024年末までに登場する可能性があると報じられ、サムスンディスプレイなど韓国メーカーがパネルを供給すると見られているが、発売時期について有識者らは予想を何度か修正している

今回のThe ELec報道によると、有機EL版MacBook Proの発売は2027年になる見通し。サムスンディスプレイは第8世代有機ELパネルを供給する予定だが、これはアップル専用(製造)ラインではないという。たとえばiPhone用の画面パネルは専用ラインが設けられることが常のため、少し異例のことだ。

まもなく登場すると噂の新型iPad Proに使われる有機ELパネルは第6世代であり、MacBook Pro用は第8世代となる可能性が高いとの報道もあった。当時The Elecは、後者は前者より「理論上」低コストになる見込みだと述べていた

このサムスンディスプレイ製造による第8世代有機ELパネルは、DELLやヒューレット・パッカードといった主要ノートPCメーカーに優先的に納品するという。MacBookの売上が低迷しているのは何度か伝えられているため、サムスンなりに保険を掛けているのかもしれない。

来月(2024年3月)サムスンディスプレイはキヤノントッキ製の有機EL蒸着装置を搬入し、最初の第8世代有機ELラインが稼働するのは2025年後半になる予定。同社のチェ・ジュソン社長は「2026年からは、年間1000万枚のIT向け有機ELを生産する」と述べたことがある。

今回の報道はMacBookファンには少し残念な印象もあるが、一方では有機ELディスプレイ搭載のWindowノートPCが2026年に様々なメーカーから登場する可能性も示している。有機EL採用PCは価格がネックとなりやすいが、その頃には製造コストも下がり、手が届きやすくなっていると期待したいところだ。

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