顧客が本当に欲しいのは大画面より新型チップ?

15インチMacBook Airは不調か。初期出荷「予想の50%」とのサプライチェーン情報

Image:Apple

アップルが6月に発売した15インチMacBook Airは、同社の幹部いわく「顧客が本当に欲しい製品」のはずだった。ハイエンドMacBook Proほどの性能を必要とせず、より大きな画面を求める企業ユーザーにとって待望の製品だと想定されていた。

だが、本製品の顧客からの初期需要は「予想より低い」とのサプライチェーン情報が届けられている。これは台湾の電子業界誌DigiTimesが、アップルのサプライチェーン関係者の話として報じていることだ。

それによればノートPC市場全体が低迷するなかで、7月の15インチMacBook Airの出荷台数は当初予想より50%も少なかったそうだ。この「滑り出しの貧弱さ」のため、一部のアップル関連サプライヤーは15インチMacBook Airの出荷台数を減らすよう要求しているという。

正式発表の1年以上前から、15インチMacBook Airが開発中だと噂され、搭載チップは次期「M3」になると主張する論者もいた。そして発売が2023年の「晩春から夏にかけて」との予想が固まった頃には、M3説を補強する「独立した情報源」も出現した。M2搭載13インチMacBook Air発売(2022年6月)から1年近くが経過するなかで、チップも世代交代すると考えるのも無理はないだろう。

だが、実際に登場した15インチMacBook Airは、ディスプレイが大きくなりスピーカーが2つ追加されたものの、M2チップのままだった。著名アナリストMing-Chi Kuo氏は「M2 Pro搭載もあり得る」と述べていたが、それも叶わなかった。

これまでのところ、15インチMacBook Airの需要がアップルの予想を下回っていたかどうかは不明である。同社は8月3日(米現地時間)に第3四半期決算を発表する予定であり、その際に何らかのコメントがあるかもしれない。

その一方でDigiTimesは、MacBookのサプライチェーンが新型MacBookの「近日中の発表」を心待ちにしているという。また別の記事では、サプライチェーンが今年(2023年)後半の「iPhoneやMac製品発売に向けて準備を進めている」とも報じている

アップルの社内事情に詳しいMark Gurman記者は、9月に次期iPhoneが発表された後、10月に新製品イベントが開催され、その場で「M3チップを搭載した新型Macに焦点が当てられる」との趣旨を述べていた

iPhone 15 Pro向けの「A17 Bionic」もM3も共に3nmチップになると見られているため、どちらの製造も引き受ける台湾TSMCのスケジュール的にも辻褄はあっている。ただし、現行Macの売上げが低調なままであれば、新型モデルの発売時期に影響が及ぶこともあり得そうだ。

関連キーワード: