ノートPC向け大型パネル量産体制が整っていないため

有機EL採用のMacBook Pro、発売は早くとも2026年か

Image:Hadrian/Shutterstock.com

今後アップルは、iPadやMacBookのディスプレイを、液晶から有機ELに移行する予定だとみられている。まず有機EL版iPad Proを2024年に投入し、その後にMacBook ProiPad Air・miniなども続くという流れだ。

しかし、初の有機ELディスプレイ搭載MacBook Proの発売は、早くとも3年先だと著名アナリストが主張している。

Bloomberg主催のウェビナー(オンラインセミナー)でディスプレイ専門アナリストRoss Young氏は、アップルのサプライチェーン・パートナーがノートPCサイズの有機ELパネルを量産できる製造ラインを構築するには数年かかるため、有機EL画面のMacBook Proが発売されるのは2026年~2027年になると述べた。

Young氏は、第6世代iPad miniの画面サイズが8.3インチになることや、iPhone 14 Proモデルに常時表示ディスプレイが搭載されることを的中させるなど、アップル未発表製品の画面に関する予想は信頼性が極めて高い。

また「有機EL搭載MacBook Proがいつ発売か」について、Young氏は何回か軌道修正している。かつて2024年発売としていたこともあるが、後に「アップルのサプライチェーンがノートPC向け有機ELディスプレイの生産能力を十分に確保できるのは2026年」との予想に切り替えていた。今回の発言も、その延長線上にある。

現行の14/16インチMacBook Proは、液晶画面の表現力をミニLEDバックライトにより強化している。それでも有機ELの輝度や深い黒の表現(自発光素子を完全にオフにできる)、高いコントラスト比、省電力(バッテリー持ち)の点では及ばない。

今回のウェビナーでも、Young氏は次期iPad Proが2024年に発売され、有機ELディスプレイを採用するとの予想を改めて述べている。さらに初の有機EL版iPad AirとiPad miniの発売は早くとも2026年として、それまでは液晶画面を採用することを確認した。これらは、調査会社Omdiaの見解とも符合している。

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