旧Twitterの普及もサードパーティ製あればこそ
Threads、APIを開発中と明かす。サードパーティ製サービスに繋がる可能性
Meta傘下のInstagramによるテキストベース会話アプリ「Threads」のユーザー数は、公開後まもなく1億人を突破していたものの、すぐにディリーアクティブユーザーが半減したとの調査結果もあった。
一方、その後にウェブブラウザから利用可能にするとともに、無料で「編集」や「音声投稿」を追加。最近ではGIF表示とアンケート投票にも対応し、着実に対抗サービスX(旧Twitter)との機能差を縮めつつある。
それに続き、Instagram責任者のAdam Mosseri氏は、ThreadsのAPI開発に取り組んでいることを明らかにした。これはサードパーティ開発者が、様々なアプリや体験を作ることにも繋がる動きだ。
海外メディアPlatformerのCasey Newton氏は、ThreadsにTweetDeck(モバイル版よりも多機能なX公式アプリ)と同等のものがないのは、まだAPIがないからだと説明。この会話に対してMosseri氏が「現在、取り組んでいる最中だ」とコメントした次第だ。
元TwitterことXにはAPIが用意されているが、イーロン・マスク氏が買収後、サードパーティー製クライアント向けに意図的に停止した。さらに新APIは有料化したため、無料APIを使っていた各種サービスが閉鎖に追い込まれる事態となった。
もしもAPIが十分に信頼性が高く開放的であれば、かつてのTwitterのようにサードパーティ製クライアントやサービスが参入し、Threadsがプラットフォームとして間口が広がることになる。またリストや特定の話題をフォローする機能など、Threads公式に欠けている機能を補うこともできるだろう。
大手掲示板Redditも、サードパーティを締め出すようなAPIポリシーの変更を行ったため、他のSNSに移転を余儀なくされた開発者も少なくはない。たとえばTweetbot作者は、Mastodon用クライアントアプリ「Ivory」を公開している。
しかし、1億人近い月間アクティブユーザーを抱えたThreadsは、MastodonやBlueSkyなどのX代替サービスよりも、はるかに市場規模が大きく将来有望である。
上記のコメントでMosseri氏は「パブリッシャーのコンテンツが多くなり、クリエイターのコンテンツがあまり増えなくなる」こと、つまり個人よりも企業を利する懸念を口にしている。だが、「それでもやらなければならないことのように思える」と付け加えており、APIによる間口の広がりを重視しているようだ。
かつてTwitterは自前のモバイルアプリを持たず、iPhone向けアプリはサードパーティ製が先行していた。それら在野のアプリがユーザーのすそ野を広げた格好だったが、Threadsも同じ道を目指すと期待したいところだ。