アプリのメジャーアップデートでテコ入れ?

Threads、すでに失速か。アクティブユーザーが「1週間で半減」との調査結果

Image:Adrian Tusar/Shutterstock.com

Meta傘下のInstagramによるテキストベース会話アプリ「Threads」のユーザーは、公開から1日後には3000万人、5日後には1億人を突破した。しかし、ローンチしてから1週間後にはAndroid版アプリのデイリーアクティブユーザー(以下、DAU)が半減したとの調査結果が出ている。

ウェブサイトの分析ツールで知られるSimilarWebのレポートによると、Android版アプリのDAUは初週の4,900万人以上から、わずか1週間で2,360万人に減少したという。なぜAndroid版に限っているかといえば、iOSの利用状況より少し追跡しやすいためと説明されている(iOS版の数字も数週間以内に発表する予定とのこと)。

ピークに達したのは7月7日であり、4900万人超は同日に1億900万人以上だったTwitterの約45%に相当する。それが翌週14日には2,360万人となり、Twitterの約22%に落ち着いたかたちだ。平均利用時間は、最もアクティブな米国では7日の約21分間が最高値であり、4日には6分強にまで減ったとのことだ。

ThreadsがどれほどTwitterの利用状況に影響をもたらしたのか? Threadsアプリが一般公開された最初の2日間、ウェブ版「twitter.com」へのトラフィックは前週比で5%減っている。その後トラフィックは回復したものの、直近(17日時点)7日間のデータでは、前年比11%減となっているようだ。

かたやThreadsへの関心がピークに達した日には、Android版TwitterのDAUはほぼ横ばいだったが、滞在時間は4.3%減っていた。その分を差し引いても、Twitterの平均総滞在時間は約25分であり、Threadsを上回っている。

こうしたThreadsブームの実態を可視化した上で、SimilarWebは「Threadsには多くの基本的な機能が欠けており、Twitterから乗り換えたり、Threadsで新たなSNSの習慣を始められるだけの説得力ある理由を提供する必要がある」と指摘している。数あるSNSアプリの中で最も成功したローンチには違いないが、成長を長期にわたって維持し続けるアップデートや施策が必要というわけだ。

それに応えるように、iOS版Threadsアプリは初のメジャーアップデートを配信。アクティビティフィードに「Follows」タブが追加され、ユーザーは誰にフォローされているのかの確認や、フォロー返しがしやすくなった。さらにフィードの読み込み時間が改善され、翻訳機能も追加されたという。

Image:camroth/Threads

これらの情報は、InstagramのソフトウェアエンジニアがThreads上でシェアしているものだ。おおむねユーザーから要望されていたもの、TwitterにありThreadsになかった要素を補完しており、すでに好評を呼んでいるようだ。

その一方で、Instagram責任者のAdam Mosseri氏はスパム攻撃が激しくなっているとして、レート制限(閲覧制限)を厳しくする必要があり、意図せずしてアクティブユーザーが “誤検出” される可能性があると述べている。まさにTwitterが同様の対策を行い、大きな混乱を招いた直後のことだ。

急激な成長には痛みを伴いやすく、ユーザーの激増もMetaの想定を超えていたのかもしれない。今のところThreadsはPCやMac、iPad(いずれもウェブで閲覧できるが投稿不可)向けに公開する計画を発表していないが、過負荷を避ける狙いもありそうだ。

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