アプリ開発元には大打撃

Twitter、サードパーティ製クライアントAPI停止は「意図的」との内部情報

Image:Tweetbot

先週木曜日、Twitterでサードパーティー製クライアントがAPIにアクセスできなくなる現象が発生し、その後も継続しているが、どうやらこれはTwitterが意図的にやったことであるようだ。

TweetbotやTwitterrific、Echofonなど複数のサードパーティ製クライアントが、突然APIエラーを表示し始めたとき、それがすべてのクライアントアプリを対象としていないように見えたため、多くのユーザーやアプリ開発者はサービス上でなんらかのトラブルが発生したのではないかと考えていた。しかしその後、週末が終わろうかという頃になっても、依然としてTwitterやイーロン・マスク氏からこの不具合についてのアナウンスはない。

Twitter の開発者フォーラムへの投稿によると、開発者ポータルでは、これらのアプリは「停止中」として表示される。またAPIを介したアクセスに対しては401エラー(認証資格情報が見つからないか、正しくない)とのメッセージが返されているとのこと。

影響を受けているアプリのひとつ、Tweetbotの共同創設者Paul Haddad氏は土曜日、Mastodonへの投稿で、「Twitterからの公式声明を待っている」と述べつつ、停止が恒久的なものかどうかについての真相は完全に闇の中だとしている。一方で、Twitter公式のウェブアプリケーションTweetdeckは、今回のAPIの不具合に影響を受けていない様子だ。

米国のIT系ビジネスニュースサイトThe Informationは、Twitter内部のSlackで、Twitterのエンジニアが「サードパーティ製アプリの機能停止は意図的なものだ」というメッセージを共有しているのを確認。Twitterがこの障害を認識していて、その原因もわかっている可能性が高いことを示した。

サードパーティーのアプリは、当然ながらTwitterが提供するAPIにその機能を依存している。そして、TwitterにはAPIを停止する権限がある。今回のAPIエラーは、Twitterが広告主に対して、広告の引き揚げをしないよう懇願していると一部で伝えられた後に発生した。

9to5Googleなどは、サードパーティのTwitterクライアントアプリが、Twitterの主要な機能を提供しつつも、Twitterに対してなんの利益ももたらさないことが、今回のAPIの停止に関係している可能性を伝えていた

また、The Informationによると、Twitterは広告担当者に対して、より多くの広告を取ってこなければ「仕事が危険に晒される」と脅しを入れたという。あるケースでは、Twitterの担当者が広告代理店の幹部に対し、代理店がTwitterで広告枠を買おうとしないことについて、広告クライアントに直接苦情を伝えるつもりだと語ったとも伝えている。

Twitterはマスク氏による買収以後、広報部門を廃止してしまったため、今回の件に関しても公の発表はない。しかし、Twitterを使いやすくユーザーに提供し、その普及に貢献してきたサードパーティーアプリの突然の禁止は、アプリ開発側には非常に酷な措置といえるだろう。

そういえば、Twitter純正のiOSアプリやMac版Twitterアプリも、もとはといえばサードパーティのTweetieをTwitterが買収して公式アプリ化したものだった。

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