プログラマーの「DOOMチャレンジ」

アップルのLightning – Digital AVアダプタ“で”『DOOM』の動作に成功

Image:Nyan Satan(YouTube)

1993年に発売されたFPS(一人称視点シューティング)『DOOM』は、オープンソース化されていることや、プログラムに環境に依存する部分が非常に少ない(わりに見た目のインパクトが強い)ため、プログラマーにとって様々なハードウェアに移植することが楽しい挑戦とされてきた。

その最新のチャレンジとして、アップルの「Lightning Digital AVアダプタ」上で『DOOM』を動かした映像が公開されている。

このアップル純正Lightning – HDMI変換アダプタは単なるドングルではなく、SoC(System on Chip)が内蔵され、簡略化されたバージョンのiOSを実行している。

Lightningはピンの数が少なく、HDMI映像を伝送できるほどの帯域幅がない。そのためアダプタはアップル製品が圧縮した動画データをLightningポートから受け取り、内部で解凍し、HDMI経由でテレビやディスプレイで出力する仕組みだ。

要は小さなコンピュータであり、7980円(税込)もの価格は伊達ではないのである。しかし、アップル製品の例にもれず、システムへのアクセスには制限がかかっているため、『DOOM』を動かすまでの道のりは険しかったようだ。

YouTube動画ではMacBookとディスプレイが映り、あたかもMac上で『DOOM』が動いているようにみえるが、実際にはアダプタ内のSoCが実行している。

これまで『DOOM』が制覇してきたプラットフォームは、Apple WatchやWindowsのメモ帳、果ては腸内細菌にまで及んでいる。

トラクターの車載システムに移植されたのも注目を集めたが、それは市販の電子機器を修理できるようにする「修理する権利」運動の一環でもある。メーカーが課したハードウェアの制限を解除することが、ユーザーがデバイスを自由に操作する権利につながるというわけだ。

そこからロボット芝刈り機のメーカーが公式に『DOOM』を搭載するという、予想の斜め上の動きも起こっていた。

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