ノートPCやゲーム機のシャーシ製造は伸びしろが少ないため?

アップルの卓上ロボット製造、Foxconn子会社がサプライチェーンに参加か

Image:Roman Larchikov/Shutterstock.com

アップルは、卓上ロボットを開発中と噂されている。その製造サプライチェーンリストに、Foxconの子会社Hongzhun(鴻準精密工業)が加わったことが分かったと報じられている。

数年前から、アップルがロボットアームを持つスマートホーム製品を開発しているとの報道は何度かあった。が、それらは社内での検討に留まっており、実際に部品の供給・組立を担当するサプライチェーンの情報が出たのは初めてのことだ。

具体的には、Hongzhunは卓上ロボットの機器部品とシャーシを開発するとのこと。本製品が発売にこぎ着けた場合は、同社がパーツの大量生産を担い、鴻海(Foxconn)グループにおけるロボット分野のパイオニアになる見通しだという。

FoxconnはiPhoneの製造を請け負う最大手として知られているが、子会社のHongzhunもiPhoneのシャーシを製造しており、アップルとの関わりは深い。

Hongzhunは最近開催された株主総会で、ロボット工学やAIなどの新技術に投資する意向を発表し、ノートPCやゲーム専用機のシャーシ製造(Nintendo Switch後継機にも関わると噂される)に重点を置いてきた路線からの転換を示唆した。

現在、Hongzhunはロボット向けの先端材料や表面処理などの関連技術の開発を進め、市場機会の獲得を目指しているという。すでに同社は、Foxconnが自社工場で使う産業ロボット「Foxbot」の組立てを担当した経験がある。

アップル製の卓上ロボットは数年越しに噂されてきたが、最近もBloombergが「J595」というコード名で進行中だと報じていた。その姿は、iPadのようなディスプレイに細いロボットアームを着け、画面を上下に傾けたり360度回転もできるという。

さらにはスマートホーム・システムの中核として機能するよう設計されており、SiriやApple Intelligenceにより制御され、iPadOSのカスタムバージョンを実行しているとのこと。早ければ2026年に発売、価格は1000ドル以下を検討しているとのことだった。

今のところApple IntelligenceはiPhoneやiPad、iPadOSに限られているが、個々のアプリを制御したり、画面に表示されたものを認識するなど、会話のやり取りや写真の編集に重きを置く他社AIよりもユーザー体験との密着を目指すものだ。その延長上にはスマートホームやロボットがあってもおかしくはなさそうだ。

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