コストを抑えつつ性能を倍に見せる努力?

PS5 Pro、単純にフレームレート倍にならない? 擬似4K技術の発展形でカバーか

Image:Girts Ragelis/Shutterstock.com

これまでPlayStation 5の中世代機(次世代機に至らない強化モデル)、通称「PS5 Pro」は開発中である可能性が高いとして、具体的なスペックを含めたリーク情報が届けられてきた。大まかに言えばCPU性能の向上よりも、レイトレーシング強化や高速ストレージ、超解像技術の“三位一体”により底上げするというものだ

それにより、「120fps対応の4Kマシン」(現行モデルはほぼ60fpsマシン)として売り出すとの噂もあった。が、GPU性能に制約があるため、単純に現行モデルの2倍のフレームレートは期待できないとゲーム映像の識者が主張している。

ゲームCGの解析で知られるDigital Foundry社のRichard Leadbetter氏らは、PS5 Proに期待できる性能のレベルにコメントし、現時点で噂されているスペックだけで予測は難しいと述べている。

PS4の中世代機であるPS4 Proは、GPUの演算コアであるCU(Compute Unit)が36個となり、18個のベースモデルと比べて倍増していた。しかし、PS5は36個のCPUを搭載するのに対して、PS5 Proは60個と噂されており、倍には至っていない。

またCPUは、Zen 2ベースでコア数やスレッド数も同じ、VRAMやメモリ帯域幅も変わらないことを考慮すると、単にクロック速度が上がってもフレームレートが自動的に2倍になるとは限らない、というわけだ。

それでも性能が向上するのであれば、ソニーがAMDと共同開発していると噂のアップスケーリング技術により実現するかもしれないという。またパストレーシング(レイトレーシングを発展させた技法)など、現行モデルにはない要素が使われる可能性が高いと述べている。

そこでDigital Foundryが言及しているのが、最近発見された特許である。その内容は明確ではないが、どうやらチェッカーボード・レンダリングの進化形を示しているようだ。

この手法はPS4 Proに使われたことがあり、レンダリングを格子状に行うことで横半分の1920×2160(フルHDの倍)を4K解像度に近づけるものだ。今回の動画では、画像のどの部分が最もアップスケーリングが必要かを判断するアルゴリズムが使われると推測している。

もしもCPUやGPU性能をストレートに倍にしたり、搭載メモリの容量や帯域をアップさせれば、本体価格を押し上げる可能性は高い。製造コストを抑えつつ、真の次世代機「PS6」までの中継ぎを数年は担うPS5 Proの開発は、単に高性能ハードを作るのとは別種の苦労がありそうだ。

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