2024年に大きな展開が?

AMD幹部、「AIアップスケールを実装したゲーム機」に言及。PS5 Proを示唆か

ソニーが、PlayStation 5の強化型「PS5 Pro」を準備中であるとの噂は、複数の情報源が伝えてきたことだ。あくまでも次世代機ではなく中世代機(現行モデルをベースとした中継ぎ)であり、プロセッサー性能はさほど上げることなく、AIによるアップスケーリング技術により補うと見られている。

これまでは匿名の情報筋からの噂話レベルだったが、ソニーのPS5やマイクロソフトのXbox Series X|Sに向けにAPU(CPUとGPUを統合したチップ)を供給するAMDの幹部が、今年(2024年)はゲーム専用機にAIアップスケーリング技術を導入すると仄めかしている。

AMDのCTO(最高技術責任者)マーク・ペーパーマスター氏は、AIやスタートアップを扱うYouTubeチャンネルに出演。その場で、同社にとって2024年は大きな展開があり、全ての自社ポートフォリオにAIの実装を完了したと語っている。

注目すべきは、特にゲーム専用機が強調されていることだ。上記のAI実装例として「クラウド、エッジ(ローカル処理)、PC、組込機器、ゲームデバイス」と挙げた直後に「ゲームデバイスにおいてAIを使ってアップスケールが可能になった」と語っている。わずか数秒のうち、繰り返されたのは「ゲーム」だけだ。

ソニーにせよマイクロソフトにせよ、AMDチップを搭載する次世代ゲーム機の発売は数年後になると見られており、2024年の例として挙げるのは相応しくないはず。年内に登場が噂されるAMD系の新型ゲーム機といえば、PS5 Proの他には考えにくい。

AMDの未発表製品に詳しいリーカーのKepler氏は、PS5 ProがAIアップスケーリングに対応するのはほぼ確実だが、搭載される「Viola」チップにはNPU(Neural Processing Unit)がないため、GPUで動かすことになると述べている。

一時はソニーが自社のみでAIアップスケーリング技術を開発していると噂され、Kepler氏もソニーだけでできるのか怪しんでいた。が、今回のペーパーマスター氏の発言は、ソニーがAMDと協力している可能性を高めたと言えそうだ。

PS5 Proは年内発売に向けてマーケティング戦略も固まり、「120fps対応の4Kマシン」として宣伝されるとのリーク情報もあった。現行のディスクドライブ付きPS5と同程度の価格であれば、高価なゲーミングPCを買いたくないが美麗なゲームを楽しみたいユーザーには好評を呼びそうだ。

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