有料プランの価格帯ごとに機能も差別化?

アップル、生成系AIを組み込んだSiri新バージョンをWWDCで発表か

Image:Koshiro K/Shutterstock.com

アップルが生成系AI開発に取り組んでいることは、ティム・クックCEO自らが認めている。それは社内では「Apple GPT」と呼ばれ、LLM(大規模言語モデル)用フレームワーク「Ajax」により開発されているとも報じられていた

それに続き、アップルが今年のWWDC(世界開発者会議)にて生成AIや様々な新機能を搭載したSiriの新バージョンをお披露目する準備を進めていると著名リーカーが主張している。

これは韓国ブログNaverのユーザー、yeux1122氏が発信していることだ。この人物はiPhone 15シリーズでも常時表示がProモデル限定であることや、15インチMacBook AirにM3チップが搭載されないなど、公式発表前に正確な情報をもたらした数々の実績がある。

その「開発者筋」の情報によると、アップルは上記のAjaxベースのモデルを使い、Siriに生成AIを統合する作業を進めているという。Siriの新バージョンは、自然な会話機能や多彩なパーソナライゼーション(顧客ごとの最適化)に重きを置いているようだ。

さらに新バージョンのSiriは、アップル製品間で会話情報を共有し、効率的な管理も可能になると示唆。また様々な外部サービスと連携できるとも述べているが、おそらくAPIを介して接続するのだろう。

最後に、新たなAI機能の一部は「サブスクリプション型サービス間で違いがある」とのこと。それ以上の詳細は説明していないが、有料プランの価格帯ごとに機能に差が付く可能性もありそうだ。

アップルが生成系AIを組み込んだ新SiriをWWDCで発表する見通しは、著名リーカーRevegnus氏も述べていたことだ。ただし、それは今年秋の「iPhone 16」シリーズ以降に限定される可能性も付け加えていた。

オンデバイス(クラウド接続を必要としない)の生成AI機能は、プロセッサの性能はもちろん、多くのRAM容量が必須となる。それを回避すべく、アップルはフラッシュメモリ(SSD)を仮想RAMとして扱える研究論文を発表していた。当初、新SiriはiPhone 16限定とした上で、iOSのアップデートにより過去モデルにも広めていくのかもしれない。


昨年末、アップルは独自生成AIを訓練するため、米国の大手出版社と記事のアーカイブを使えるライセンス契約を交渉中だと米The New York Timesが報じていた。競合するサムスンが次期Galaxy S24(仮)シリーズを「AIスマートフォン」として売り出すことは確実であり、アップルとしても一刻の猶予もなさそうだ。

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