製造コストを抑えるため見送り?

Switch後継機、DLSS性能はさほど高くない? 解像度は1080p~1440p止まりか

Image:Jair Fonseca/Shutterstock.com

Nintendo Switchの後継モデル、通称「スイッチ2」のCPUやGPU性能はさほど高くないが、DLSSのアップスケーリングにより底上げされるとの予想が有力だ。海外ゲームイベントで目撃された技術デモも、DLSSが活用されていたという。

しかしスイッチ2には、ディープラーニング・アクセラレータ(DLA)が搭載されず、DLSSも期待されたほど強力ではない可能性があるとの噂が報じられている。

ゲームグラフィックスの解析で知られるDigital FoundryのRichard Leadbetter氏は、スイッチ2にはDLAが搭載されないと情報筋から聞いた、とポッドキャストにて述べている。そのためDLSSによるアップスケーリングは、1080p~1440pに制限される可能性があるとのことだ。

もっとも、これまでNVIDIAのゲーム機向けGPUには、DLAが搭載された例はない。現行スイッチ搭載のTegra X1もNVIDIA製であり、次期プロセッサーと目される「T234」もその延長上にある「T239」のカスタム版(コストダウン版)と予想されている。要は「スイッチ2に、NVIDIA DLSS機能セットのどれが採用されるか」に注目が集まっているわけだ。

T239にはDLAが搭載されているため、カスタム版のT234に引き継がれてもおかしくはないはず。だが、過剰なスペックはモバイル用途を難しくする消費電力の向上や、ひいては製造コスト増を招きかねないため、削除された可能性もありそうだ。

とはいえ、スイッチ2はアクセラレータがなくともDLSSサポートが確実視されている。またレイトレーシングに関しては、PS5を上回るとの有力情報もあり、現行スイッチよりも遙かに高画質になることは確実だろう。

かたや、DLSSのうちFG(Frame Generation)をサポートしないとも言われている。FGとは中間フレームを生成してフレームレートを飛躍的に向上する技術だが、家庭用ゲーム機にそこまでは求められていないだろう。

今月初めの2024年3月期第2四半期決算発表にて、任天堂の古川俊太郎社長は、次世代機に関する噂話は「不正確だ」と述べていた。しかし、数か月前には「次世代機への移行」に言及しており、準備中であることは否定していない。

来年になれば、いよいよ現行スイッチも8年目に突入する。これまでの家庭用ゲーム世代論に当てはまらない異例の存在としても、「iPhone 8と同い年」のハードが現役に留まることは明らかに無理がある。しかし、現行モデルも好調なソフトウェア販売に恵まれているなかで、いつ次世代モデルを発表するかに迷いがあるのかもしれない。

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