次期iPad Pro向け有機ELパネル、2024年2月に製造開始? 6月のWWDCで正式発表か
次期iPad Proは、従来の液晶パネル(ミニLEDバックライト方式を含めて)を有機ELに変更して2024年内に発売されるとの予想が有力となっている。すでにパネルに使う材料セットや、大幅値上げになるとの噂も相次いでいるほどだ。
そんななか、iPad Pro用の有機ELディスプレイが来年2月から量産開始するとのサプライチェーン情報が伝えられている。
韓国大手メディア朝鮮日報は、アップルが次世代iPad用有機ELパネルにつき、サムスンディスプレイおよびLGディスプレイと価格交渉の最終段階に入ったと報道。そして両社とも、当初予定より早い来年2月頃から生産する予定だと主張している。
おりしも、台湾の調査会社Trendforceが「ミニLEDディスプレイ搭載の12.9インチiPad Proを2024年に製造中止する予定」との見通しを述べたばかりだ。有機EL版iPad Proが2024年内に登場する可能性が、ますます高まった格好である。
ディスプレイ生産が2月に始まるとすれば、新型iPad Proが春(~4月)に発表される可能性は低いだろう。アップルは例年、春のイベントで新機種をまとめて発表するが、そこでは第7世代iPad miniや第7世代iPad Air、第11世代iPadのみを投入。そして有機EL搭載iPad Proは、6月の世界開発者会議WWDC 2023で発表する展開になるのかもしれない。
現行機では12.9インチiPad ProのみがミニLEDバックライト画面を搭載しているが、次期モデルでは大小サイズとも有機EL採用とみられている。
アップルの内情に詳しいMark Gurman記者は、11インチはそのままで、大型は13インチになると予想。それら両機種ともM3チップを搭載するとともに、専用Magic Keyboardもプラスチック製からアルミニウム製となり、デザインも刷新されると主張していた。
iPad Proが有機ELに移行することで、いくつかの改善が期待できる。まず、色彩がより鮮明となり、黒がより深く、コントラスト比も高くなる可能性がある。有機ELパネルは液晶より消費電力が低いため、バッテリー持ちも良くなるはずだ。
さらにハイブリッド有機ELパネルを採用することで、現行モデルよりも薄く軽くなるとの報道もあった。また、発光層を2段重ねにする「ツースタックタンデム」技術の導入により、従来方式より高輝度かつ製品寿命が延びるとの予想もある。
気になる製造コストだが、朝鮮日報は「既存のモバイル用有機ELパネルに比べて3倍レベルの価格帯が設定されたという分析が出ている」と報じている。iPad Airの大型モデルが開発中との噂もあったが、iPad Proが高価格のノッチ製品に移行するのにともない「高性能は不要だが、大画面タブレットは欲しい」ユーザー向けに準備されているのかもしれない。