家庭用ゲーム機に搭載の可能性もある?

携帯ゲーム機向けSoC「Snapdragon G」発表。クラウド専用からハイエンドまで3階層

Image:Qualcomm

米クアルコムは、携帯ゲームデバイス向けチップ「Snapdragon G」シリーズに新製品を投入し、ゲーム機市場に注力していくことを発表した。

Snapdragon Gシリーズは、2021年12月に発表された「Snapdragon G3x Gen 1」から始まったもの。RazerのAndroid携帯ゲーム機「Razer Edge」に搭載されたが、その後に採用製品が広がることもなく、新型チップの投入も途絶えていた。

公式リリースによれば、Snapdragon Gシリーズは3つの階層にまたがっているとのこと。ゲームコンテンツや機能、コストの多様化に対応し、より幅広い携帯ゲーム機やフォームファクタの実現を目指すという。

まず「Snapdragon G1」は、クラウド経由のゲームストリーミング用として、ファンレス携帯ゲーム機向けに設計。主に(性能よりも)遅延のない接続性とバッテリー駆動時間に重きを置いているという。要はLogitech Gのクラウドゲーム専用ゲーム機「Cloud」のようなイメージだろう。

かたや最上位の「Snapdragon G3」は、革新的なゲーム機能を最大限に活用した、エンスージアスト(熱狂的な支持者=ゲームマニア)向けの機能と性能を備えたフラッグシップ製品とのこと。その新製品となる「Snapdragon G3x Gen 2」チップは、Snapdragon G3x Gen 1の後継モデルとなる。

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このSnapdragon G3x Gen 2は、Kryo CPU(8コア)とAdreno A32 GPUを搭載し、前モデル比でCPU性能が30%以上、GPU性能が2倍以上高速化。ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングやゲームの超解像度、XRグラス(メガネ)とのテザリング、Snapdragon Sound Technology Suiteによる低遅延プレミアムBluetoothオーディオ、Wi-Fi 7 High-Band Simultaneous、5G sub-6およびミリ波など、ハイエンドゲーム機能やパフォーマンスの向上をもたらすとのことだ。

そして「Snapdragon G2」は、「プレミアムモバイルおよびクラウドゲーミングタイトル」の両方を視野に入れており、G1とG3の中間層に当たるもの。これら新型チップが具体的に、どのような製品に搭載されるかは不明だ。

もっとも、クアルコムはAyaNeo、Huaqin、InventecやThundercommといった企業と「Snapdragon Gシリーズプラットフォームを搭載した携帯ゲーム機」につき協力していると述べている。実際AyaNeoは、Android携帯ゲーム機のティーザーを発表した

また数か月前にクアルコムは、任天堂やソニーと「将来の携帯ゲーム機」について協議したとの噂もあった。家庭用ゲーム機でも、今後は何らかの動きがあるのかもしれない。

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