2023年後半には約8400万台が生産?

「iPhone 15」、8月に量産開始か。Pro Maxは値上げの見通し

Image:Mykola Churpita/Shutterstock.com

次期フラグシップiPhoneのうち最上位モデル「iPhone 15 Pro Max」は例年よりも値上げになると著名アナリストが予想している。その理由は、「iPhone 15 Pro」にはない専用機能が搭載されるからだという。

香港の投資会社Haitong International Tech ResearchのJeff Pu氏は、iPhone 15シリーズが8月に量産を開始し、2023年後半には約8400万台が生産されるとの見通しを述べている。これはiPhone 14シリーズと比べて約12%増加しており、アップルが需要の好調さを見込んでいると示唆しているようだ。

しかしPu氏は、iPhone 15 Pro Maxの価格はiPhone 14 Pro Maxの1,099ドル~よりも高くなると主張している。日本ではiPhone 14 Pro MaxはiPhone 13 Pro Maxより値上げされていたが、米国でのドル建て価格は据え置きのままだった。

これに先立ち、Pu氏は今年3月にも「iPhone 15 Pro Maxは(初めて約1000ドル~の大台に乗った)iPhone X以来の値上げになる」と予想していた。さらに確信を深めた、といったところだろう。

その根拠は、iPhone 15 Pro Maxだけの専用機能にある。ここ数世代、iPhoneのProモデルとPro Maxモデルは画面サイズ(とバッテリー容量)を除けばスペック的には同じだった。しかし、今年はそれが変わる。光学倍率を高めるペリスコープ望遠レンズは、iPhone 15 Pro Max独占となる見通しだ。

ペリスコープ望遠レンズは、レンズやミラーにより光の向きを変え、本体に対して横方向にレンズを配置する方式だ。これにより、従来のタテ方向にレンズやイメージセンサーを積み上げる設計よりもスマートフォンの厚みを抑えつつ、光学倍率を上げやすい。今のところ、iPhone 15 Pro Maxの光学ズームは最大6倍との説が有力だ

一時はProモデルにも採用との予想もあったが、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏が「市場が期待する2つのモデルではない」としてProへの搭載を否定していた。

さらにPu氏は、翌年の「iPhone 16」シリーズでは、近接センサーに新技術「メタレンズ」を採用するという。メタレンズとは、数千もの細かなナノ構造により光を収束させる平面レンズ技術のこと。サイズが小さくて量産しやすいためコスト効率にも優れ、従来の屈折型レンズよりも厚みを減らせるメリットもある。

Pu氏によれば、メタレンズは将来のFace IDセンサーを劇的に小さくするのに役立つかもしれないとのこと。上記のKuo氏は、2024年に新型iPad ProのFace IDに採用され、その後iPhoneにも展開され、ゆくゆくはARメガネにも採用されるとの展望を述べていた

また、iPhone 16シリーズはWi-Fi 7規格に対応するとのこと。この見通しは、複数の情報源とも一致している

iPhone 15 Proシリーズは、感圧式ソリッドステートボタンの採用が見送られた一方で、最先端の3nmチップ「A17 Bionic」やチタン製フレームの採用により、カメラ以外でも製造コストが大幅に増加している可能性が高い。

「非常に美しいデザイン」となって所有する満足感も高まると思われるが、すでに現行のiPhone 14 Proモデルでも大抵のアプリやゲームではストレスを感じることが皆無のなか、あえて高価な出費をするかどうかで悩むことになりそうだ。

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