MacBookが実現していない「どこでも単体でインターネット」が可能に?

クアルコム、Snapdragon X Eliteの廉価版「Plus」準備中か。5Gモデム内蔵の可能性

Image:Qualcomm

クアルコムは昨年、WindowsノートPC向けArmベースチップ「Snapdragon X Elite」を発表した。まもなく複数のメーカーから搭載PCが登場する見通しだが、Windows向けChromeがArmネイティブに対応するなど、発売に向けた準備は着々と進んでいるようだ。

このチップの廉価版となる「Snapdragon X Plus」なるチップが開発中との噂が報じられている。

クアルコムは、Snapdragon X Eliteが競合他社のチップにあらゆる面で勝ると、事あるごとに強調している。発表当時もアップルのM2をマルチスレッド性能で凌駕すると述べていたほか、最近も最新のIntel Core Ultraチップより50%以上高速だと主張。懸念されていたWindowsゲームとの互換性についても、ほとんどがそのまま動くと予告している

これらは「クアルコム社内で行った、自社製品に都合のいいベンチマーク結果のみ発表」の疑いが払拭できていなかった。

だが、Windows関連情報に定評あるサイトThurottはメディア向けブリーフィングに参加し、その場でリファレンスモデルに触り、自らベンチマークアプリを実行。そしてSnapdragon X Eliteが「本物」であり、いくつかの重要なスコアでM3を上回るばかりか、しばしば「大差を付けている」と主張している。

もっとも、比較対象はあくまでベースチップのM3であり、上位のM3 ProやM3 Maxではない。とはいえ、約2年前の同社フラグシップSoC「Snapdragon 8cx Gen 3」がM2チップどころかM1にさえ及ばなかったことを振り返ると、驚くべき進歩である。

さらにWindows製品に詳しいドイツメディアWinfutureは、クアルコムが「Snapdragon X Plus」も準備しており、近い将来に搭載PCが登場する予定だと主張している。

このチップはSnapdragon X Eliteの縮小版で、12のCPUコアが10コアに減らされる可能性が高いという。またEliteの「XE1」という型番に対して「X1P」が付けられ、少なくとも2種類がテスト中とのことだ。

特筆すべきは、Snapdragon X65 5Gモデム(iPhone 14 Proモデルと同じ)も内蔵と伝えられていることだ。つまりMacBookでは未だに実現していないモデム搭載を実現し、どこでもインターネットにアクセスできる可能性がある。

Snapdragon X Eliteに関しては、8コアに減らした廉価版の噂もあった。最上位チップに「Elite」、中間チップを「Plus」、8コアの下位チップを「Snapdragon X」として、価格帯に応じて提供する構想があるのかもしれない。

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