NPUは上位機種と同等、CPUコア数で差別化?

クアルコムが「Snapdragon X」エントリーモデルを予告。600ドル強の低価格PC向け

Image:tinhkhuong/Shutterstock.com

クアルコムは投資家向けイベント「Investor Day 2024」にて、600ドル強の低価格PC向けに「エントリーレベル」のSnapdragon Xチップをまもなく発表すると予告した。

同社のSnapdragon XシリーズはArmベースのチップであり、WindowsノートPCのバッテリー駆動時間を大幅に延ばした。が、最上位のSnapdragon X Elite搭載マシンは米国価格で1200ドル以上、後に投入されたSnapdragon X Plusでは少し価格を下げている。

クアルコムは最近のMacBookに搭載されているMシリーズチップを競合相手に位置づけており、Snapdragon Xもハイエンドの「Elite」チップから始まった。それに対し、「Plus」チップでは性能面での妥協を抑えたとしつつ、安価さを強調する傾向にある

上述のInvestor Dayでのプレゼンテーションでは、クアルコムはSnapdragon Xチップの価格帯を4つに分け、プレミアム(1000ドル以上)にSnapdragon X Elite(CPU12コア)、その下のハイクラスにSnapdragon X Plus(CPU10コア)、第3層のミドルクラスにSnapdragon X Plus(CPU8コア)を配置している。

新たに予告されたSnapdragon Xチップは最下段のエントリークラスに位置付けられ、600ドル強の低価格帯により「市場へのアクセスが拡大する」と説明されている。

さらにクアルコムは、既存シリーズチップと同じNPUを搭載すると付け加えている。それ以上の詳細は不明だが、CPUコア数を上位~下位にかけて12、10、8と減らしていることから、6コアとするのかもしれない。

Image:Qualcomm/XDA

コア数を減らせばマルチコア性能が低下するものの、600ドル強であれば、米国では999ドル~のM2 MacBook Airよりも安く、普及しやすくなるはずだ。

Googleアプリ等のArm Windows対応が遅れているのは(ようやくGoogleドライブのベータ版が登場したが)、おそらくSnapdragon X搭載PCの伸び悩みと関係あると推測されるが、市場が広がれば開発者にとっても魅力的となり、エコシステムも充実していくのかもしれない。

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