5Gモデム内蔵がMacBookに対するアドバンテージ

Snapdragon X Plusが正式発表。安価かつ高性能、低消費電力のWindows AI PCを実現か

Image:Qualcomm

米クアルコムは、新たなPC向けチップセット「Snapdragon X Plus」を発表した。これまで噂話レベルに留まっていたが、ようやく正式に明かされた格好だ。

Snapdragon X Plusは、ハイエンドチップSnapdragon X Eliteと同じOryon CPUを採用しながらも、消費電力を少し抑制。Eliteの12コアに対して10コアで、クロックも3.8GHzから3.4GHzに下げられている。

クアルコムによるマルチスレッドCPUベンチマークでは、Snapdragon X Eliteより約2000ポイント低いが、それでもアップルのM3チップを約10%上回るとのこと。また従来のx86チップと比べても電力効率はかなり高く、ピーク時の消費電力はIntel Core Ultra 7155Hと比べて約54%少ないと主張している。

そしてNPU(Neural Processing Unit)性能はEliteと同じ45TOPSとされ、Windowsの生成AI機能については引けを取らないようだ。

Image:Qualcomm

具体的な価格については、言及されてが、「さらに多くのユーザー」の手に渡るようになると述べており、Eliteよりも低価格になることを示唆している。

モバイルPCに搭載する上で最大の利点は、Snapdragon X65 5Gモデムチップも統合されていることだ。

これはiPhone 14シリーズに搭載されたものと同じであり、全世界のバンドに対応しているため、接続に悩まされる恐れは少ない。いまだにモデムが内蔵できていないMacBookに対して、大きなアドバンテージとなるだろう。

記事執筆時点ではSnapdragon X PlusやEliteを搭載したノートPCは登場していないが、クアルコムは「2024年半ば」から登場すると述べている。つい数日前にも、それらしきSurface PCのベンチマーク結果が発見されていたことから、今後はOEMメーカー各社から新製品の発表ラッシュとなるのかもしれない。

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