赤外線カメラならプライバシー侵害の恐れなし?

AirPods、2026年までに赤外線カメラ付き量産開始か。空間ジェスチャーやVision Pro体験を強化?

Image:Margirita_Puma/ Shutterstock

ここ数カ月、AirPodsは今後の機能強化を発表したり、セキュリティ問題への対応はありつつも、新型ハードウェアの動きは途絶えている。第4世代AirPodsは今年後半、第3世代AirPods Proの発売は2025年秋と見られており、今は凪のような状況にある。

そんななか、アップルが2026年までに新たな「カメラモジュール付きAirPods」を大量生産する予定だと著名アナリストが報告している。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏によると、この新型AirPodsにはiPhoneのFace IDシステムと同種の赤外線カメラが搭載されるという。ちなみにFace IDはドットプロジェクタから赤外線を顔に照射し、はね返ったものを赤外線カメラで受けて顔のイメージを読み取る仕組みだ。

アップルの目標は、まずVision Proや将来のアップル製ヘッドセットと統合すること。さらに空間オーディオのユーザー体験を向上させ、空間コンピューティング・エコシステムの強化が期待されているという。例えばVision Proでビデオを視聴しているとき、新型AirPodsを着けて特定の方向に頭を向けると、そちらの音源が強調されるといったぐあいだ。

さらに赤外線カメラは環境画像の変化を検出し、空中ジェスチャー操作が可能となり、「人間とデバイスのインタラクションを強化する」かもしれないという。現在の「AirPods Pro(第2世代)」はステムを押す/上下にスワイプする/長押しによるタッチ操作に対応しているが、より複雑なコントロールができるということだろう。

今年2月、アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者も、「低解像度のカメラセンサー」を搭載したAirPodsを検討していると報じていた。他にもMetaのRay-Ban MetaスマートグラスやアマゾンのEcho Framesと競合する製品を模索しており、その1つという位置づけだった。

いかに低解像度であっても、カメラ内蔵ウェアラブル機器はプライバシー保護との間に緊張関係をもたらす。Metaの第2世代スマートグラスも、ビデオ撮影中にLEDが明るく光るなど、盗撮への悪用を防ぐ仕組みを強化していた

ただ周囲の環境や動きを捉えるだけの赤外線カメラであれば、そうしたトラブルや批判は招きにくいのかもしれない。

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