MacBookの強力なライバルになるかも

Snapdragon X Elite、インテルCore Ultraの性能を圧倒か。次期Surfaceに搭載の噂

Image:Qualcomm

マイクロソフトはかねてからの噂通り、3月22日午前1時(日本時間)からオンラインイベント「New Era of Work」を開催する。この場ではAI関連サービスのほか、次期Surface PCが登場することが有力視されている

新型「Surface Pro 10」と「Surface Laptop 6」ともに、インテル製Core UltraおよびArm系Snapdragon X Eliteのカスタムチップを搭載した2種類が登場するとみられている。だが、これまでArm系チップ採用のWindows PCは、インテル系のパフォーマンスに及んでいなかった経緯がある。

しかし、Snapdragon X Eliteをインテルの最新チップCore Ultra 7 155H(高性能をうたう携帯ゲーミングPCにも搭載)と各種ベンチマークで比較したところ、ほぼ全面的に優れているとの結果が出た。

Snapdragon X Eliteは、独自設計の「Oryon」を12コア内蔵。クアルコムは第13世代Coreプロセッサーと比較して優位に立つと主張していたが、第14世代チップ=Core Ultraとの優劣には言及せず。また同社は自ら定番ベンチマークアプリGeekbenchテストの結果を公開していたものの、それは「自社に都合の良い指標」をつまみ食いした可能性も拭いきれない。

YouTuberでハードウェア専門家のErdi Özüağ氏は、「Snapdragon X Elite X1E80100」と「Intel Core Ultra 7 155H CPU」を、総合的なベンチマークテストにより比較している。

今回の検証で用いられたSnapdragon X Elite搭載PCは、クアルコムのリファレンスデザイン(半導体メーカーなどが提供する自社製品を組み込んだ完成品の実装例)である。TDPは28W、64GBのLPDDR5Xメモリを搭載している。

まずUL Proycon(AI推論などを含むベンチマーク詰め合わせ)では、Snapdragon X Eliteは1720ポイントを獲得したのに対し、Core Ultra 7 155Hは476ポイントだった。この数値はクアルコム製チップのAI推論シナリオにおける高性能さと、ほぼ全ての既存PCを凌駕していることを示している。

Image:Erdi Özüağ/YouTube

次に3DMarkのGPUテストに移ると、Snapdragon X Elite内蔵のAdreno GPUは、インテルのXe-LPGとほぼ同等のスコアを獲得。さらにVisual Studio Codeテストでも優位に立ち、はるかに短い時間で同じコードのコンパイルを完了している。

Image:Erdi Özüağ/YouTube

特に注目すべきは、Snapdragon X Eliteの持つAI推論能力の卓越した高さだろう。今年後半にリリース予定の大型アップデート「Windows 11バージョン24H2」では高度なAI統合が実現する見通しだが、それをArm系の低消費電力・持ち運びやすいノートPCの形で享受できるメリットは大きい。

ひいては、バッテリー持ちと性能の絶妙なバランスを誇ってきた近年のMacBookにとって、手強いライバルとなりそうだ。

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