サムスンやインテルの逆襲もあり得る?
NVIDIA、TSMCやインテルを抜いてチップ売上高世界一に。生成AIブームで大躍進
全世界の半導体関連ブランドのなかで、NVIDIAがインテルやサムスン、TSMCを抜き去り、売上高トップに躍り出たとアナリストが報告している。
台湾を拠点とする金融アナリストのDan Nystedt氏は、2023年第3四半期において、NVIDIAが生成AIブームのなかで、前四半期の4位から1位に急浮上したと述べている。かたや2023年の通期チップ売上高では、インテルとサムスンを抑えて2位になる可能性がある一方、TSMCは引き続きトップを維持する見通しだという。
NVIDIAの業績は破竹の勢いで伸びており、同四半期の売上高は前年同期比206%増の181億2000万ドルだと報告していた。
Nystedt氏は、同社の利益もまた急上昇しており、やはりチップ業界のライバルをごぼう抜きしていると指摘。凄まじい伸びのほとんどは、データセンター向けのAIチップ売上によるものだ。
これに対して世界最大ファウンドリー(半導体受託製造)TSMCは売上高が172.8億ドル、利益は72.1億ドルだった。そしてインテルの売上高は141億6000万ドルだったが、800万ドルの赤字。さらにサムスンの半導体部門は売上高が125.2億ドルだったが、赤字は28.6億ドルにも膨らんでいる。
サムスンは世界最大のメモリーチップ製造元だが、新型コロナ禍の収束にともないメモリーチップ需要が急減し、厳しい状況に直面している。しかし、AIチップやデータセンターには大量のメモリーチップが必須となるため、今後は次第に業績が回復していくことだろう。
またサムスンはチップ製造技術の向上に多額の投資を行っており、AMDやクアルコムからもチップ製造の一部を請け負うと噂されている。TSMCがアップルを非常に優遇している事情を考えると、十分あり得る展開だ。
ほか、NVIDIAのAIチップ供給が不足気味、かつ価格が高騰しているため、ハイテク大手各社がAIチップを自社開発する動きもある。その最右翼と言えるマイクロソフトがついに独自開発チップ「Maia 100」「Cobalt 100」を発表したばかりだが、NVIDIA一人勝ちの状況にどう影響を与えるのか興味深いところだ。
- Source: Dan Nystedt(X)
- via: Sammobile