「オンデバイスAIなのにサブスク」という噂も

サムスン、独自生成AIモデル「Samsung Gauss」発表。Galaxy S24に搭載か

Image:Valeriya Zankovych/Shutterstock.com

サムスンは11月8日の「Samsung AI Forum 2023」にて、独自の生成AIモデル「Samsung Gauss」を発表した。その名称は、AIや機械学習技術の基盤とされる正規分布理論を確立した数学者、カール・フリードリッヒ・ガウスにちなんだものだ。

生成言語モデル「Samsung Gauss Language」は、メールの作成、ドキュメントの要約、コンテンツの翻訳などのタスクを助け、作業効率を向上。製品に組み込むことで、よりスマートなデバイス制御を可能として、消費者体験を向上できるという。

さらに「Samsung Gauss Code」とAIコーディングアシスタント「code.i」は、社内でのソフトウェア開発に最適化され、開発者は簡単かつ迅速にコーディングできるとのこと。

また「Samsung Gauss Image」は、画像生成モデルだ。プロンプトに基づいて画像を作成し、スタイルの変更・追加などの編集作業もでき、低解像度画像のアップスケールも可能だと説明している。

すでにサムスン社員は、生産性向上のため社内でGaussを使用しているとのこと。そして「近い将来サムスン製品の様々な用途に拡大する予定だという。

今回の発表で注目すべきは、Gaussを使ったオンデバイスAI技術の活用が謳われている点だ。つまりデバイス内でAI処理を完結させ、外部のクラウドサーバに依存せず、オフラインでも使えるということ。実際サムスンも、ユーザーが個人情報を送信することなく様々な作業を簡単に行えると強調していた。

韓国大手メディアThe Korean Timesは、2024年前半に次期スマートフォン「Galaxy S24」シリーズにGaussを搭載すると報じている

Galaxy S24シリーズがオンデバイス生成AIを搭載する兆候は、これまで複数あった。搭載が噂される「Snapdragon 8 Gen 3」はNPUが強化され、オンデバイスの生成AI用途を想定済み。またサムスンも、2024年に「生成AI搭載スマートフォンを発売」すると示唆している

もしもGalaxy S24シリーズが生成AIを搭載すれば、競合他社に対する大きなアドバンテージになるだろう。GoogleのPixel 8/8 ProもオンデバイスAIをアピールしているが、プロッサーが力不足のため、多くをクラウドに依存しているとの指摘もあった

ただし、サムスンがオンデバイスAI機能を「サブスクリプション」、つまり有料にするとの噂話もある。

https://twitter.com/Tech_Reve/status/1721465853101908080?s=20

クラウド依存のAIサービスであれば、課金もサーバー使用料として理解しやすい。だが、オンデバイスであればサムスンにサーバー運営コストもかからない。生成AI機能コストも「スマホ本体の代金」に含まれているはずであり、ユーザーの理解は得がたいかもしれない。

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