Googleはオンデバイス処理を強調

Pixel 8搭載のTensor G3チップ、AI処理の多くをクラウドに依存との推測

Image:Google

Googleの最新フラッグシップ機Pixel 8シリーズは、「ベストテイク」や「編集マジック」といった数々のAI機能を実装している。そして同社は他社製品のAI機能の多くが「データセンターでしか利用できないようなコンピュート・パワーの上に構築されている」としつつ、日常的に使うにはオンデバイス(デバイス内で完結)で利用できる必要があるとして、独自設計チップ「Tensor G3」はそれを実現していると仄めかしている

YouTuberのMrwhosetheboss氏は、Pixel 8シリーズでのAIベースの機能すべてがインターネット接続を必要としていることに気づいた。内蔵チップは独力でタスクをこなすには力不足で、処理を完了させるためにGoogleのサーバーに送信する必要があると推測している。

たとえば編集マジックの場合、画像を処理する前に、まずGoogleフォトに保存しなければならない。もしも公称どおりオンデバイスで完結しているなら、外部サーバーに送る必要はないはずだ。

Image:Mrwhosetheboss/YouTube

またMrwhosetheboss氏は、編集マジックはGoogleがいうほどシームレスではなく、何かを消したり、モノを移動させたりするのに時間がかかると指摘。

先日の「Made by Google」でのデモでは、AIによる画像処理はたちまち完了していた。だが、実機ではオブジェクトを識別するのに苦戦していることもあり、時として「規約に違反する可能性がある」として、処理を完了できないとのエラーも出している。

そうした数々の現象から、GoogleがAI機能に多くの労力を費やしたことは事実として、処理のほとんどは外部サーバーで行っていると推測。このもたつきがAIの外部サイトで処理する感覚と似ているとも付け加えている。

実際、Tensor G3が他社の最新ハイエンド機搭載チップほどパワフルではないと示す、数々のベンチマーク結果も続々と出ている

それはGoogle自らも「わが社がTensorで取り組んでいるのは、スピードやフィード、あるいは従来のパフォーマンス指標ではない」として遠回しに認めていることだ。同時に「すべての主要なサブシステムが強化され、オンデバイスの生成AIへの道が開かれた」とも謳っている。

さらにMrwhosetheboss氏は、Pixel 8シリーズが数年前のiPhone 12と比べても、最適化されていないタスクは遅く感じるとも述べている。重い処理が長引けば、その上に発熱や速度低下が起こることも実証済みである

これらは後ほど、ソフトウェアアップデートにより改善される可能性もあるだろう。Googleの改善努力に期待したいところだ。

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