AppleシリコンやミニLEDの魅力も薄れつつあり
2023年のMacBook出荷台数、前年比30%減の予測。年内は在庫処分モードか
アップルが2023年内には新型Macを投入しないとみられるなか、MacBookの出荷台数が大幅に落ち込んでいると著名アナリストが主張している。
同社のサプライチェーン情報に精通するMing-Chi Kuo氏のブログ記事によれば、2023年内のMacBook出荷台数は前年比約30%減の約1700万台だと予想されるという。現行モデルで最新の15インチMacBook Airについても、「Back to School」(毎年恒例の学割キャンペーン)が終わった後は大幅に落ち込んでいるとして、出荷予想を20%以上も下方修正している。
先月Kuo氏は、次期チップ「M3」を搭載した新型MacBookが、2023年内に登場しないようだと主張していた。
今回もその予想を引き継ぎつつ、年内のMacBook出荷台数はこれまでより大きく落ち込むという。さらにWHF(在宅勤務)需要の終焉、それにAppleシリコン(独自開発チップ)やミニLEDディスプレイの魅力が薄れていることも、MacBookの人気薄に拍車を掛けていると述べている。
なぜ、アップルはM3搭載MacBookの発売を見送ったのか。その理由の1つは、来年の「新製品発売に向けて在庫を一掃するため」だという。もっともKuo氏は、「アップルはM3プロセッサーが2024年のMacBook出荷台数を押し上げることを期待しているが、この戦略が上手く行くかどうか分からない」と懐疑的な見解も付け加えている。
アップルが6月に発売した15インチMacBook Airには、同社の幹部も「顧客が本当に欲しかった製品」との趣旨を語るなど、相当な期待がかけられていた。だが、初期出荷は当初予想より50%も少なく、滑り出しは期待外れに終わったようだ。
Appleシリコンも当初は「消費電力あたりの性能の高さ」が注目を集めたものの、裏返せば「消費電力が青天井であれば他社製デスクトップ向けチップに敵わない」ということも明らかになった。ミニLEDバックライト画面も、有機ELディスプレイに省電力やコントラスト比、表現力で差を付けられていることは、iPad Proを有機ELに移行しようとしているアップルが最も認識しているはずだ。