Macの売れ行き不調から、新製品の投入は急いでいない?
M3搭載MacBook Air、早ければ2024年春~夏に発売か
アップルの13インチ/15インチMacBook Airは教育の現場からビジネスユースまで高い評価を勝ちえているが、最新モデルでも搭載チップがM2であり、2022年6月から更新が止まっているのがネックである。
そのアップデート版を待ち望んでいる人向けに「両モデルとも、次期 “M3” チップ搭載のアップデートが準備中」としながらも「年内発売はなく、来年まで入手できない」という喜びと残念が入り混じる予想を、著名ジャーナリストが主張している。
Bloombergの名物記者Mark Gurman氏はニュースレター「Power On」最新号で、13インチと15インチMacBook AirのM3搭載モデルはちょうどEVT(技術検証テスト)に達したところで、早ければ来年の春から夏にかけて発売される予定だと「聞いた」と述べている。
M3チップとは、半導体製造最大手TSMCの3nmプロセス技術により製造される、Mac向け次期プロセッサのこと。現行のM2は5nmプロセスであることから、プロセスルール(回路線幅)の微細化により処理速度と電力効率がともに向上すると期待されている。MacBookに当てはめれば「コンセントから電源を取らなくても動画処理などを快適にこなし、しかもバッテリー持ちが良くなる」と期待できる。
またEVTはアップル製品が量産に入るまでのテスト段階であり、通常はEVT→DVT(設計検証テスト)→PVT(生産検証テスト)の順にことが進む。まだ初期段階、というわけだ。
なぜM3 MacBook Airの準備を急いでいないかの説明はないが、最近のMacBook(およびiPad)の出荷台数は大幅に落ち込んでおり、M3搭載モデルの需要も予想を下回るとのアナリスト予測もあった。かたや、同じくTSMCの3nm技術によるA17 Proを搭載したiPhone 15 Proモデルの売れ行きが好調なこともあり、M3製造の優先度は高くないのかもしれない。
もっとも、TSMCの3nm製造ラインは歩留率の向上に苦戦しているとの報道もあった。M3 MacBook Airの発売が2024年となれば、その頃には製造にまつわる問題が解消している可能性もあるだろう。