大型折りたたみ有機ELパネル発注を誘うため?

サムスン幹部、折りたたみタブレットとノートPCを開発中と認める。発売時期は不明

Image:cigdem/Shutterstock.com

韓国サムスンは、折りたたみスマートフォン製品で着実に地歩を固めてきた。横折りのGalaxy Z Fold5もタテ折りのGalaxy Z Flip5も数世代を重ね、折りたたみ部分が壊れやすいなどの弱点も克服しつつある。グループ企業のサムスンディスプレイは折りたたみ有機ELパネル製造の大手でもあり、製品カテゴリーを拡大するモチベーションも高いはずだ。

そんななか、モバイル部門のトップであるTM Roh氏が、折りたたみタブレットやノートPCを開発中だと明らかにした。

英Independentのインタビューにて、Roh氏は「折りたたみ式はタブレットやPCなどの他のカテゴリーに拡大し、その後も発展し続けるだろう」とコメント。「人は本を読むために本を開き、何かを書くためにノートを開く。使わないときや移動中は、折りたたんで閉じられるので、よりコンパクトに持ち運べるし、中にある重要な情報も保護できる。これは人間の自然な行動だ」と述べた。

さらに、実際そうしたデバイス開発に取り組んでいることも確認。「スマートフォンに応用されたものは、タブレットやノートPCにも広がっていくだろう。そのためサムスンも、多くのリソースを投入している」とのこと。

しかし「基盤技術」が開発中であり、消費者向けに「有意義なイノベーション」の準備が整った時点で発売する予定だという。ほか「携帯性を高めるため、薄くて軽い必要がある」「しかし、安心して使うには丈夫でなければならない」など折りたたみ端末に求められることを述べつつも、発売時期には言及していない。

サムスンが折りたたみ式タブレット開発を進めているのは、以前から噂されてきたことだ。まず2021年4月、Gizmochinaは3つ折りの「Galaxy Z Fold Tab」が開発中と主張。実際に同社は、3つ折りの試作機をCES 2022で公開していたことがある。

また著名リーカーyeux1122氏も「折りたたみAndroidタブレット」がGalaxy Tab S9やGalaxy S23シリーズと同時発表される可能性が高いと述べていた。これらスマホやタブレットは発売済みだが、いまだに折りたたみタブレットは登場していない。

しかし先月、サムスン幹部はフルディスプレイを2つに折りたたみノートPCに関心を持つ企業は多いと述べていた。一般的に有機ELパネルは大型化するほど単価も利益率も高くなるため、まず自社で折りたたみ式タブレット/ノートPCを市場に投入し、他社からの発注を加速する狙いもありそうだ。

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