広告主が離れた原因はオーナーの言動にある?

Twitterの広告収入「50%減」、マスク氏ツイート。キャッシュフローは今もマイナス

Image:Frederic Legrand – COMEO/Shutterstock.com

Twitterのオーナーであるイーロン・マスク氏は、Twitterの広告収入が約50%も落ち込む一方で、多額の負債がのし掛かり、今なおキャッシュフローがマイナスだとツイートした。「贅沢する前に、キャッシュフローをプラスにしないといけない」とのことだ。

このツイートは、以前より予告していたクリエイターへの広告収益分配プログラムを開始した直後に発せられたものだ。その恩恵に真っ先にあずかった一部には、極右のインフルエンサーもいたとの報道もあった

またマスク氏は、Twitterが今週(7月10日の週)に「過去最高のデバイスユーザー数/秒」を記録するようだとも述べていた。ほかBloombergの取材でも、昨年10月の買収後にTwitterを去った広告主はほとんど全て「戻ってきた」か「戻ってくると言っていた」とコメントしていた経緯がある。

マスク氏がCEOに就任した直後、次々と打ち出された新方針のもと、多くの広告主が離れていったとの観測は既報の通りだ。有料プラン「Twitter Blue」のリニューアルに伴う “なりすまし” の横行、トランプ元大統領ほか凍結アカウントの解除、投稿規制のゆるみ等は、広告最大手オムニコムがTwitter広告の一時停止を企業に勧告したと報じられたほどである。

調査会社Sensor Towerは、今年初め2か月間のTwitter広告費は、前年同期比89%減の760万ドルと見積もっている。またTwitterは、マスク氏が440億ドルで買収して株式非公開にした際に巨額の負債を背負い、年間約15億ドルの利息を支払っているとの説もある

今月初め、Twitterはユーザーが1日に見られるツイート閲覧件数を一時的に制限した。これは利用者にとって不便なだけでなく、広告主にとってもユーザーにリーチすることが困難となるため、Twitterが自ら収益を悪化させることに繋がると指摘されていた。

その混乱のさなか、MetaのTwitter対抗アプリ「Threads」がリリース。Twitterのユーザーインターフェースに近いことや、同社傘下のInstagramアカウントやフォロワーを引き継ぎやすいためか、わずか5日でユーザー数が1億人を突破していた

TwitterがThreadsをパクリ(copycat)と呼び法的措置を示唆した理由の1つには、広告主が流出することを危惧した可能性もあるだろう。だが、ユーザーや広告主離れを招いた事柄が、どれもオーナーであるマスク氏の言動と深い関係があるため、根本的な解決は難しいのかもしれない。

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