やはりCEO同士の金網マッチで決着?

Twitter、MetaのThreadsを「パクリ」と呼び法的措置を示唆

Image:ssi77/Shutterstock.com

Meta傘下のInstagramが公開したテキストベース会話アプリ「Threads」は、公開から約1日で3000万人を突破したとマーク・ザッカーバーグCEO本人が述べている

この怒濤の勢いのなか、Twitterがザッカーバーグ氏に書簡を送り、Threadsをパクリ(copycat)と呼ぶとともに、「Twitterの企業秘密やその他の知的財産を組織的、故意かつ意図的に盗んだ」と非難していることが明らかとなった。

また「民事救済と差し止めによる救済の両方を求める権利」を留保するとして、法的措置も示唆している。

ニュースメディアSemaforは、Twitterを運営するX社の弁護士がMetaに送ったという書簡をスクープした。それによれば「Twitterは自社の知的財産権を厳格に行使するつもりであり、Metaに対しTwitterの企業秘密やその他の極秘情報を使わないよう、直ちに措置を講じるよう要求する」とのこと。

その根拠とされるのが、Twitterが解雇した数十人をMetaが雇ったという主張である。

「Twitterの企業秘密やその他の極秘情報にアクセスし、またアクセスし続ける」元従業員を雇用し「Metaの競合アプリ開発を加速させるために、Twitterの企業秘密やその他の知的財産を使う意図ありきで、パクリアプリ “Threads “の開発に従事させた」とのことだ。

この書簡につきMetaの広報担当者は、Twitterの非難は根拠がないものだとコメント。「Threadsのエンジニアリングチームに元Twitter社員はいない」と述べている。

英The Guardianが(職歴の分かる)LinkedInをざっと調べたところ、昨年採用されたMeta社員の中に、元Twitter従業員は何人かいたという。とはいえ、テック系の人材が他のテック系に移るのはよくあることで、特にSNS系の場合は流動性が高いことも指摘されている。

さらにいえば、Twitterのオーナーであるイーロン・マスク氏は、自らが解雇した“天才”らに詫びるとともに、「彼らの計り知れない才能は、間違いなく他の場所で大いに役立つだろう」として転職を祝福していた。

そしてTwitter上では、ザッカーバーグ氏とマスク氏がそれぞれ互いを挑発するようなツイートが見られた。まずザッカーバーグ氏は10年ぶり以上のツイートで、2人のスパイダーマンが互いを指差し合う(過去アニメの1シーン)有名なミームを投稿。ThreadsがTwitter対抗アプリであるとの立ち位置を再確認するものだろう。

かたやマスク氏は今回の報道につき「競争はいいがチートはダメだ」とツイートしている。

マスク氏とザッカーバーグ氏が「金網マッチ」に合意したのも、元はといえば「MetaがTwitterのライバルThreadsをリリース」との噂話がきっかけだった。今後オクタゴンでの勝負に加えて法廷闘争も繰り広げられるのか、推移を見守りたいところだ。

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