いずれProject Qも対応?

PS5ソフトがクラウドゲーム対応。PS Plus プレミアム特典として提供予定

Image:SIE

ソニーは15日、PlayStation 5用タイトルをクラウドストリーミングする検証を行っていると発表した。本サービスが開始した際には、PlayStation Plusプレミアム加入者がPS5本体で、PS5タイトルをクラウドストリーミング経由でプレイできると予告している。

その対象となるのはPS Plusのゲームカタログやゲームトライアルのほか、ユーザーが所有しているPS5タイトルも含まれるという。

すでにPS Plusでは、初代PS2~PS4のゲームをクラウドストリーミングを通じて、PS4およびPS5でプレイできる。新サービスでは、そこにPS5タイトルも加わり、かつPS5本体でのプレイに限られる格好だ。

こうした制約のもとでは、新サービスの意義は「PS5本体にゲームをダウンロードする必要がなくなり、待ち時間やストレージ容量の圧迫がなくなる」のみだ。現在、PS5のゲームはPC、Mac、iOSおよびAndroidデバイスにストリーミングできるが、それはPS5本体にダウンロードして起動する「リモートプレイ」である。要は、PS5ユーザー向けという前提は変わっていない。

もともとPS Plusのクラウドストリーミングは、以前は別サービスだったPS Now(PlayStation Now)の機能である。様々な端末にゲームを提供する先進的な試みで、ソニー製品以外のスマートTVやWindows PCも対象としていた。だが、2022年にPS Plusへ統合されたことで、対応プラットフォームはPS4およびPS5に絞り込まれた。

ソニーがPS5タイトルのクラウドストリーミング対応に取り組んでいることは、数か月前から兆しが確認されていた。たとえば4月にはクラウドゲーム技術に関連する22の職種が募集され、先月もPlayStation事業トップのジム・ライアン氏が「クラウド分野での取り組みを加速させるため、今後数か月間にわたり、非常に興味深く、積極的な計画を立てている」と述べていた経緯がある。

しかし、そのためのハードウェアと噂されていたデバイス「Project Q」は、公式発表ではPS5のリモートプレイ用端末であることが強調されていた。単体でネイティブアプリが動くわけでもなく、あくまでPS5の周辺機器の1つと位置づけられている。

もっとも、ソニーの発表ではクラウドゲーミングへの言及はなく、その可能性が否定されたわけではない。多くの技術職を募集し、特許取得などの研究開発に投資をした上で、その成果が「PS5のダウンロード待ち時間をなくし、ストレージ容量を消費しない」だけというのは、逆に不自然とも思える。

ソニーの吉田憲一郎CEOは、インターネットを介したゲームのストリーミングが「技術的に難しい」として、クラウドゲームはまだ検討段階にあると示唆していた。おそらくProject Qの発売直後にはクラウドゲーム対応はないが、その先は未知数といったところだろう。

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