PS Vitaでスタンドアローンの携帯ゲーム機は懲りた?

ソニー、PS5リモートプレイ機「Project Q」発表。PlayStation初のワイヤレスイヤホンも

Image:Sony

ソニーは25日早朝の配信番組「PlayStation Showcase」にて、PlayStation 5にインストールしたゲームをリモートプレイできる専用デバイス「Project Q」を正式に発表した。

PlayStationトップのジム・ライアン氏は「Wi-Fi経由のリモートプレイを使って、PS5からあらゆるゲームをストリーミングできる専用デバイスを発売する」と述べた。社内では「Project Q」と呼ばれ、8インチのHD画面とDualSenseワイヤレスコントローラーの全てのボタンと機能を備えているという

より具体的には、Wi-Fi経由で最大1080pと60fpsによりゲームをプレイできる液晶画面を持ち、DualSenseのアダプティブトリガーと触覚フィードバック等も搭載しているとのことだ。今年後半に発売されると予告されているが、正確な発売時期や価格については何も明かされていない。

Qで遊べるゲームはPS5本体にインストールする必要があり、PS Plusに登録されたタイトル等をクラウドゲーミングでプレイできるわけではない。Steam Deckやスマートフォンのように、単体でネイティブアプリが動くものでもなさそうだ。つまり独立した携帯ゲーム機ではなく、PS5の周辺機器の1つに過ぎない。

また短い予告では、家の外でゲームをストリーミングできるかどうかにも言及されていない。現在PS5のリモートプレイは携帯電話の回線がサポートされているが、Qではスマホのテザリングを経由する必要があるのかもしれない。

この「携帯ゲーム機」(疑問符は付くが)に関する噂は、先月から浮上していた。PS5のリモートプレイに特化していてクラウドゲーム機にはならないこと、8インチの液晶画面を備えていること、DualSenseコントローラーに似ていて同等の機能も使えることなど、全て的中した格好だ。

もしも屋外で遊べなければ、「家の中の様々な部屋で重いPS5を運ぶことなく、どこでも遊べる」に留まることになる。現在の携帯ゲーミングPCもバッテリーがあまり持たず、カバンに入れるには重くて嵩張るため、実際には家庭内モバイルに過ぎないことを考えると、Qの仕様でも必要十分なのかもしれない。

ほかPlayStation Showcaseでは、PlayStationブランド初の公式ワイヤレスイヤホンも公開された。PS5だけでなくPCでも次世代オーディオの没入感を実現し、Bluetoothによるスマートフォンとの接続もできるという。さらにSIEが開発した新たなワイヤレス技術を採用し「ロスレス・オーディオと低遅延」を実現し、今年後半に発売される予定とのことだ。

アップルのAirPods Proシリーズもロスレス対応はしていないため、本当だとすればワイヤレスイヤホン業界の革命となるだろう。もっとも、「ロスレス」の定義は各社それぞれのため、今後明かされるという詳細に注目したいところだ。

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