Macの売上げ不振はしばらく続く?

アップル「M3」搭載のMacやiPad、2024年に延期か。TSMCの供給不足により

Image:Farknot Architect/Shutterstock.com

うわさの15インチMacBook Airは6月のWWDC(世界開発者会議)にて発表されるものの、次期「M3」チップは搭載されないと予想されている。ではM3搭載Macがいつ出るかといえば、年内はあり得ず2024年になると有名リーカーが主張している。

TwitterユーザーのRevegnus(@Tech_Reve)氏は、「更新情報:M3 MacもiPadも年内にはない」と題した情報をシェアしている。Appleシリコン(独自開発チップ)の製造を請け負うTSMCが歩留まりの問題で十分な量のM3を供給できないため、アップルは来年までM3のリリースを延期。よって今年はM3 MacもM3 iPadも発売されないとのことだ。

https://twitter.com/Tech_Reve/status/1653641879249092609?s=20

TSMCは現在、今年秋の「iPhone 15 Pro」モデル向け3nmチップ「A17 Bionic」や、同じく3nmプロセス製造のMac/iPad Pro向けM3チップの製造に取り組んでいると見られている。これらのチップは、現行のA16 BionicやM2チップよりもプロセスルール(回路線幅)が微細化し、性能および電力効率が大幅に改善するはずだ。

しかし、世界先端の技術を持つTSMCも3nm製造には手こずり、現在のA17とM3の歩留まりが約55%に留まると米EE Timesは報じていた。なお「N3(TSMCの3nm技術)開発の現段階では健全なレベル」とのことで、特に不慮のトラブルがあるわけではないと思われる。

今回の噂話が本当であれば、6月のWWDCではM3チップがデビューを飾ることはなさそうだ。もっとも台湾の経済メディア工商時報は、M3世代は早ければ2023年秋に投入されると報じていたことがあり、最初から15インチMacBook AirにM3が搭載されることは望み薄だったかもしれない。

しかしM3 Macが2024年にずれ込むとなると、同じくM3搭載が噂される有機EL版iPad Proの発売時期がどうなるのかも気になるところだ。これまでMシリーズチップは「まずMacに採用、数ヶ月後にiPad Proに搭載」が恒例となっていたが、M3世代ではiPad Proが先行するとも考えにくい。M3 Macと同時発表となるのか、それともiPadを先送りにするのか、今後の展開を注視したいところだ。

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