価格がこなれてくるのは第2世代以降かも
アップル初のAR/VRヘッドセット、6月発表は確実か。「最後の追い込み」の噂
アップルが開発中と噂のAR/VRヘッドセットは何度も延期を繰り返してきたと見られているが、ようやく6月の世界開発者会議での発表が確実視されている。そんななか、本製品が「最後の追い込み」に入り「サプライチェーン配送の段階」に至ったと台湾の経済日報が報じている。
同社の新製品が量産の段階で遅れが生じたり、時として設計が変更、あるいは発売が断念された前例はいくつもある。たとえばiPhoneとApple Watch、AirPodsが同時に充電できるAirPowerは正式に予告されながらも、後に「高い要求水準を満たせず」開発中止されたことがあった。
アップル初のヘッドセットも、一度は2022年内に発表が予想されていたものの、過熱やソフトウェアなど複数の課題が解決できず見送られたと報じられていた。
しかし経済日報の情報が本当であれば、ひとまず山は乗り切ったようだ。アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏も量産が先延ばしされたと述べたこともあったが、ギリギリの状況だったのかもしれない。
今回の報道によると、iPhone組立パートナーの最大手であるFoxconnの子会社GISが、レンズのラミネーション(貼り合わせ)担当としてサプライチェーンに加わるという。すでに同社はiPadのディスプレイをラミネートしており、高い歩留率が買われたようだ。
これまでFoxconnグループはヘッドセットのサプライチェーンから外されていたが、唯一GISのみが参加するとのこと。初代ヘッドセットの組立は、中国のLuxshareが一手に引き受けているようだ。
サプライチェーン各社の動きが活発化したことから、アップル初のAR/VRヘッドセットが予想通り6月のWWDCで発表され、その後数ヶ月のうちに発売される可能性が高まった格好だ。そしてGISは単一の顧客につきコメントしないが「メタバース市場への参入に先行し、第2四半期に顧客への出荷を開始する」と強調したという。
またGISの関与は、Foxconnが第2世代ヘッドセットの生産に深く関わるとの噂を裏付けてもいる。今年2月、アップルはFoxconnに対して製造コストを削減するため組立工程の自動化を進めるよう指示したと報じられていた。
初代製品が3000ドル(約40万円)もの高価な製品になるのは、高解像度のマイクロOLEDパネルの歩留率が低くコスト高になることも一因のようだが、第2世代ヘッドセットは価格がかなりこなれてくると期待したいところだ。