初代ヘッドセットが高すぎて売れないことは織りこみ済み?

アップル、第2世代AR/VRヘッドセットのコストダウン計画を進行中か

Image:Ian Zelbo

アップル初のAR/VRヘッドセットは、高解像度ディスプレイや大量のカメラ・センサーほか最先端技術が詰め込まれており、おおよそ3,000ドル前後になるとの説が有力だ。コスト面から考えれば妥当な設定であるとしても、この価格ではまず普及は望むべくもない。そのため第2世代では廉価、つまり消費者に歩み寄るとみられている。

この(比較的)安価な第2世代モデルの生産計画が、すでにFoxconnと協力して進行中との噂が報じられている。

日経の英字メディアNikkei Asia(以下「日経」)によれば、アップルは第1世代ヘッドセットの製造に中国Luxshareを起用したとのこと。同社が、初代製品にFoxconn以外のサプライヤーを使うことはあまり前例がないため、注目を集めているという。LuxshareはすでにiPhoneやApple Watch、AirPodsの組立に加わっている。

初代ヘッドセットを構成する部品のうち、最も高価なパーツの1つはディスプレイとのこと。高解像度のマイクロOLEDパネルを片目ずつ1枚使用、計2枚となると予想されるため、相当の比重を占めるはずだ。日経によると、各パネルの製造コストは150ドル程度になる可能性があり、価格が高くなるのは歩留まりがまだ比較的低いためだという。

そして、第2世代モデルのコスト削減努力の1つとされるのは、生産の効率化だ。アップルはFoxconに対して、製造コストを削減するため組み立て工程の自動化を進めるよう依頼したとのこと。この作業は、初代ヘッドセットの発売と「並行して」行われているそうだ。

かなり早くから廉価モデルの噂話はあり、まず昨年夏には有名アナリストMing-Chi Kuo氏が「第2世代モデルを2025年前半に発売。よりハイエンド/手頃な価格の2モデルが用意される可能性が高い」と述べていた。それを織り込んだ上で、ヘッドセットの出荷台数は早ければ2025年~2026年に1,000万台に達するかもしれない、とのことだった。

また、今年初めにアップルの内部情報に詳しいMark Gurman記者と、アップル製ヘッドセットの製品像をいち早く伝えていたThe Informationが、ともにMetaのQuest Pro(1,500ドル)と競合する廉価モデルを開発中だと発信していた

このうちThe Informationの情報は、かなり具体的だった。より安価な素材を使い、センサー類を減らし、低解像度のディスプレイに置き換え、Mac級ではなくiPhoneと同等のプロセッサーを使う可能性があるとのこと。初代ヘッドセットと廉価モデルとは、iPhoneのProモデルと標準モデル以上の格差があると示唆していたかたちだ。

第2世代モデルがMeta Quest Pro並み、すなわちハイエンドiPhoneぐらいの価格であれば、少なくともヘッドセット市場の規模では「普及」が望める可能性もありそうだ。その一方で、初代ヘッドセットは高価格に加えてバッテリー動作が約2時間、キラーアプリ不足との有力情報もあり、苦戦が予想されている。

とはいえ、アップルの初代製品がさほど売れないのは珍しくはなく、iPodにせよiPhoneにせよ、本格的に売れ始めたのは世代を重ねてからのことだ。今後、同社が数年かけてAR/VRヘッドセット市場に粘り強く取り組んでいくことを期待したいところだ。

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