テストベッドと中国政府への配慮を兼ねているとの噂も

「iPhone SE 4」独自5Gモデム搭載で2025年発売か

Image:ALDECA studio/Shutterstock.com

廉価モデルiPhone SEの第4世代、通称「iPhone SE 4」は、一時は開発中止の噂もあったが、今ではプロジェクトは続行しつつも2024年に延期との見通しに落ち着いていた。

そんななか、iPhone SE 4はアップル独自設計の5Gモデムを搭載しつつも、2025年に発売予定と著名アナリストが主張している。

この発信源は、投資会社Haitong International Securities所属アナリストJeff Pu氏が書いたリサーチノートだ。それによれば、このモデムは台湾TSMCにより量産されるという。

今年2月末、信頼性の高いアナリストMing-Chi Kuo氏は、iPhone SE 4は6.1インチ有機EL画面と独自開発の5Gモデムを搭載した形で開発が再開されたと述べていた。Kuo氏もこのモデムはTSMC製としつつ、4nmチップでサブ6GHzのみ対応(高速なミリ波非対応)とも付け加えていた。

おおむねiPhone SE 4の製品像は一致しているものの、両アナリストが食い違っているのは「いつ発売されるか」という点だ。

Kuo氏は2024年前半に量産が始まるとしており、クアルコムのCEOもアップル独自開発モデムが同年に投入されると予想していた。クアルコムはiPhone 14全モデル向けの5Gモデムチップを独占的に供給しており、その動向が売上を大きく左右するだけに、情報収集にも余念がないと思われる。

アップルは2019年にインテルからスマートフォン向けモデム事業の大半を買収しており、本格的に独自モデムチップの開発に注力したとみられている。その上で不可欠の役割に位置づけられているのが、iPhone SE 4である。

まだ独自モデムの性能に不安があることから、まず廉価なiPhone SE 4に採用する予定だと、Kuo氏は述べていた。そのテスト結果を受けて、フラッグシップiPhoneにも採用するかどうか決めるのだという。

ほか、iPhone SE 4の有機ELパネルは、中国政府への配慮から中国BOEに発注されるとのサプライチェーン情報もあった。様々な意味で大役を背負わされているとすれば、発売時期はさておき、いずれiPhone SE 4が登場する可能性は高そうだ。

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