背景ぼかしやARアプリなど活躍する場所は多し

iPhone 15 Pro、ソニー製LiDARスキャナ採用でバッテリー持ち改善か

Image:Apple

ここ数年のフラッグシップiPhone、特にProモデルは省電力性能を重視する傾向があり、iPhone 14 Proモデルの常時表示も「利便性とバッテリー持ち」を両立する仕組みだ。これは今年秋のiPhone 15 Proモデルにも持ち越されるとともに、発光素子を制御する有機ELドライバーチップの電力効率が改善するとの噂もあった。

そんななか、「iPhone 15 Pro」および「iPhone 15 Pro Max」のLiDARスキャナは、電力効率が高いソニー製の改良版になるとのアナリスト予測が報じられている。

英大手金融バークレイズのアナリストらの投資家向けメモによれば、ソニーは「今年のモデル」でVCSELやレシーバー、ドライバー(いずれもLiDAR関連パーツ)を供給し、シェアの全てではないにせよ大部分を占める可能性があるという。

ちなみにLiDARスキャナとは、レーザー光を物体に照射して、反射光が戻ってくる時間から距離を測る仕組みだ。光の飛行時間を測る原理からToF(Time of Flight)センサーとも呼ばれ、AndroidスマートフォンではGalaxy S20 Ultra等に搭載されていた

2020年のiPhone 12 Proモデルに初搭載されたLiDARスキャナは、iPhone 15世代でもProモデル限定と予想されている。具体的な用途としては、3Dスキャンや拡張現実アプリのほか、被写体との距離を測れることで背景ぼかしや暗所でのオートフォーカスなどが挙げられる。

アップルのサプライチェーン事情に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏も先月、ソニーがiPhone 15 ProモデルのLiDARスキャナー部品を独占供給するとツイート。さらにソニーのToF(LiDAR)ソリューションは電力効率が高く、現在と同じ消費電力で性能を向上させたり、あるいは同等の性能でバッテリー持ちが良くなる可能性があると付け加えていた。

iPhone 15 Proモデルについては、TSMCの3nm製造による「A17 Bionic」チップ、LightningからUSB-C端子への変更、ボタン類が物理式から感圧式のソリッドステートに移行、RAMは8GBに増量、狭ベゼルでiPhone 5c風の曲線デザインが噂されている。特に3nm化したA17チップは性能や電力効率が大幅に向上し、旧モデルからの乗り換えブームを誘うと予想する向きもある。かたやiPhone 15標準モデルもProと同じダイナミックアイランド採用が有力視されており、こちらも人気が出るかもしれない。

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