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Slackに「ChatGPT」機能追加、ベータ版で提供へ

Image:Salesforce

Salesforceは、傘下に抱える業務コラボレーションツール「Slack」において、OpenAIのAIテキスト生成ツール「ChatGPT」の機能を追加すると発表した。ベータ版として提供を開始するため、ユーザーはまずウェイトリストに登録し、招待が来たらそれを試すことが可能になる。

リリース文によれば、SlackへのChatGPT機能の搭載は「OpenAIの大規模な言語モデルを利用した会話型インターフェイスを提供し、会話の概要をその場でまとめて最新情報の入手に使ったり、あらゆるトピックについて学習するための調査ツールを提供したり、メッセージの下書きをすばやく作成するための支援」が利用できるという。「Slackの知識とChatGPTのインテリジェンスを組み合わせ、ユーザーが仕事をより迅速に進めるのに必要な情報」を提供するとのことだ。

より具体的には、Slack用のChatGPT機能を利用すると「チャンネルやスレッドの会話内容を要約」し、その中で何が起こっているのかを素早く把握できる。そしてAIを活用した調査ツールによって「プロジェクトやトピックに関する答えを即座に見つけ」られ、「数秒でメッセージの下書きを作成」して、顧客やチームとコミュニケーションが取れるという。つまり、本来ならユーザーが記述するメッセージの主要な部分をAIが生成してくれるので、ユーザーはそれを見て必要なところを修正するだけで、すぐに投稿できるというわけだ。

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ChatGPTは昨年から世界を席巻し始め、マイクロソフトは先日、OpenAIの技術を利用したBIng AIの提供を発表している。また同社は今月16日、AIが「生産性の再発明」と「仕事の未来」にどのように役立つかをテーマとする新たな発表イベントも告知している。

一方でOpenAIは先週、サードパーティ企業がChatGPT機能を利用可能にするAPIの提供を開始。その早期アクセスメンバーであるInstacart、Snap、家庭教師アプリのQuizletなどが、すでにChatGPT機能を統合したアプリやサービスの提供を発表している。

SlackへのChatGPT技術の統合は、それが面白いかどうかだけでなく、実際に人々の生産性を高められるか否かについての、最大のテストのひとつになるのかもしれない。ただし、ChatGPTやそれをベースとするAIは、ユーザーによる会話の誘導などによって、不正確だったり相手を扇動するような応答を返すことがあるといった話も、いまだ聞こえている。

Slackへの統合は、業務利用においても同様の問題が起こったりするのか、業務の一部をAIチャットボットツールに依存するようになった場合のリスクが、どこにあるかを探るテストにもなりそうだ。もちろん、職場の同僚から飛んでくる冗談への返しを、わざわざ考えて入力する手間を省くのにも便利かもしれない。

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