15インチMacBook Airには間に合わず?
アップル、TSMCの3nm全供給確保との報道。iPhone 15 ProとM3 Mac向けか
台湾TSMCの3nmプロセス技術は世界最先端を走るだけに、どの企業が製造ラインを確保するかに注目が集まっている。先日も、インテルの発注が2024年後半までずれ込むとの観測が報じられたばかりだ。
そんななか、アップルがTSMCの第1世代3nmプロセス「N3」の受注可能量をすべて確保したとの噂が伝えられている。
台湾の電子部品業界情報誌「DigiTimes」の有料記事によると、アップルは初期供給分のN3を100%調達したとのこと。2023年前半にはコスト高やTSMCの稼働率低下はあるものの、高い歩留まりを実現すると述べられている。
TSMCの3nmプロセス量産は、昨年末に始まったばかりだ。今回の記事によれば、緩やかなペースで製造能力が拡大され、3月には月産4万5,000枚に達する見通しだという。
アップルはTSMCにとって最大の顧客であり、3nmの製造ラインでも他社より優先されることが確実視されていた。それにより、今年秋の「iPhone 15 Pro」モデルに搭載されるA17 Bionicチップが作られるとの見通しは、Nikkei Asiaほか複数の情報源が報じたことだ。TSMCの3nm技術は、iPhone 14 ProモデルのA16 Bionic製造に使われた4nmに比べ、電力効率が35%改善すると謳われている。
先月DigiTimesは、アップルが15インチMacBook Airに3nm製造の「M3」チップを搭載し、2023年後半に発売すると報じていた。一方、ディスプレイ専門アナリストRoss Young氏は同製品が2023年春発売と主張し、異なる見解を示している。もしYoung氏が正しければ、3nmチップが間に合う可能性は低いだろう。
その後DigiTimesは、搭載チップには言及せずに「15インチMacBook Airは旧正月に量産開始」と報道。そして数日前、アップルが新型MacらしきデバイスをBluetooth認証機関に届け出たと判明したことから、やはり数ヶ月以内に発売され、搭載チップはM2/M2 Proに留まることになるのかもしれない。
さらに先の話をすれば、有名アナリストであるMing-Chi Kuo氏は、2024年に登場する14インチ/16インチMacBook Proには、TSMCの3nmプロセスによる「M3 Pro」と「M3 Max」が搭載されると述べていた。現行の最新Mac用プロセッサーであるM2 ProおよびM2 Maxは5nmプロセスであり、A16からA17以上に性能と電力効率の改善が見込めそうである。