後出しの新ルール?

Twitter、サードパーティ製クライアントアプリを正式に禁止。新ルール追加

Image:PiXXart/Shutterstock.com

Twitterは19日(米現地時間)、開発者契約の文書を更新し、サードパーティ製クライアントの作成を禁止することを発表した。先週からTweetbotやTwitterrificなど大手アプリにAPI認証エラーが起きて使用不能となっていたが、ようやく意図が明らかにされた格好だ。

具体的には「II. ライセンス素材の利用に関する制限」内に「c) Twitterアプリケーションの代替または同様のサービスまたは製品を作成または作成しようとするためにライセンス対象物を使用またはアクセスすること」が追加されている。記事執筆辞典では更新されていない日本語版(発効日は10月10日)と比較すると、以前のb)とc)の間に新項目が挿入されたことが分かる。

この変更は、複数の人気Twitterクライアント開発者が表明していた推測が事実だと認めるものだ。当初Twitterは数日間にわたり沈黙を守り続け、その後に「長年のAPIルールを施行している」と述べ、API停止が意図的なものだと認めていたが、どのルールに抵触しているのかは言及していなかった。

Twitterが「APIルールの施行」にあたって事前の警告もなく、問い合わせに対してもノーコメントを続けていたのは、昨年末の大量解雇がコミュニケーション担当チームから始まったことと関係があるのだろう。またAPI停止が意図的との内部情報を報じたThe Informationも「Twitterの開発者プラットフォームに従事するほとんどの人」が解雇されたと指摘しており、もはや開発者向けのAPIにリソースを割くのは止めた可能性もありそうだ。

Twitterのサードパーティ製クライアントは、広告がないことで強い支持を勝ちえていた。もちろんTwitterにとっては望ましいことではないと思われるが、当初はiOSやAndroid向けの公式モバイルアプリがなく、その間にTwitter人気を後押ししたのは彼らだった。そもそも「ツイート」という言葉を作ったのも、今回の締め出し対象となったアプリの1つTwitterrificと言われている。

実際、Twitterも2021年に開発者契約を変更し、サードパーティ開発者がTwitterの主要サービスを「コピー」することを抑制する(禁止ではないが)項目を削除したことがあった。この変更は、Twitterが外部開発者との関係を改善しようとする歩み寄りとみられていた経緯がある。

この戦略は、もはや正式に終わりを告げたようだ。今のところポリシー変更について連絡を受けたアプリ開発者は確認されておらず、Fenixの開発者も米Engadgetに「全く予想外というわけではないが、連絡がないのは少し侮辱的だ」と語っている。すでにFenixは、Google Playストアから削除された(iOS版はまだAPIアクセスが可能)。

Twitterrific開発者のSean Heber氏も、16年もの歴史を持つアプリが販売終了に追い込まれたことをブログ記事で確認している。「アプリの突然、かつ見苦しい終了は、ますます気まぐれになっていくTwitterによる予告や文書化もされていないポリシー変更が原因だ」とのこと。

さらに「Twitterはもはや信頼に足るとは思えず、これ以上は一緒に仕事をしたくない」とも語っており、もしも規約が再び変更されてAPIアクセスが復活したとしても、Twitterrificが帰ってくる見込みはほぼなさそうだ。

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