「長年のAPIルール」がどれを指すのか不明

Twitter、サードパーティ製クライアント停止を意図的だと認める

Image:Postmodern Studio/Shutterstock.com

日本時間13日の昼過ぎから、複数のサードパーティ製TwitterクライアントがAPIにアクセスできない状態が続いている。これがバグやトラブルではなく、Twitterが意図的に停止したためとの報道もあった

そして18日深夜、Twitterが数日の沈黙を破り、それが事実だと認めるツイートを発している。

TwitterのDev(開発者向け)アカウントは、同社が「長年のAPIルールを施行している」とツイートし、この変更により一部のアプリが動作しなくなる可能性があると述べている。もっとも、ブロックされたTwitterクライアントがどのAPIルールに違反しているかは明らかにしていない。

先週、TweetbotやTwitterrificなどの大手サードパーティ製アプリにつき、APIで認証エラーが起きて使用不能となり、トークンをリクエストしても返ってこない事態となっていた。人気の高いTwitterクライアントに影響している上に、Twitterが何日もノーコメントで放置していたため、意図的な措置という可能性が浮上した次第だ。

さらに先週末、有料ニュースメディアのThe Informationが「サードパーティ製アプリの機能停止は意図的」とする社内Slackチャンネルでの会話を報道。しかも上級エンジニアが部下に通達していた文脈から、ほとんどのTwitter従業員が知らなかった可能性が推測されていた。

記事執筆時点では、今後ふたたび大手アプリに対して、APIへのアクセスが復旧されるのかどうかは分かっていない。IconfactoryやTapbots(それぞれTwitterrificとTweetbotの開発元)ともに、事前にAPI停止に関する警告を受けておらず、その後に情報も提供されていないことに不満を表明している。

もっか海外テック系メディアの間でも、Twitterの姿勢に対して疑問の声が寄せられている。たとえばMacStoriesは、同社の行いが「不名誉としか言いようがない」「プロフェッショナルではない」と批判。さらに公式モバイルアプリが不在の間もTwitter人気を支え、10年以上にわたり成功に貢献した外部開発者に対して「敬意を全く欠いている」と指摘している。

またテック系の大物作家ジェイソン・スネイル氏は、Twitterの行動を「無知で、無礼で、卑怯」と非難。そしてアップル情報に詳しい有名ブロガーのジョン・グルーバー氏は、Twitterの公式アプリがマスクCEOの下でますます酷くなっており、Twitterの常用は終わりそうだと述べている

Tapbotsは「過去12年以上にわたり、Twitterを閲覧する手段として多くの皆様に当社を選んで頂いたことを光栄に思う」と半ば諦めのメッセージを発しつつ、Twitterの対抗馬とみられるMastodon向けクライアント「Ivory」の開発を表明している。

現在のTwitter人気がサードパーティ製アプリに大きく依存しているとすれば、ユーザーもそれらアプリの開発元と共に移住先を探すのかもしれない。

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