S22シリーズでは批判が殺到していた

「Galaxy S23」は冷却システム改善、スロットリングが起きないとの情報

Image:N.Z.Photography/Shutterstock.com

サムスンの次期フラッグシップ機「Galaxy S23」シリーズには改善された冷却機構が搭載され、スロットリング(プロセッサが過熱した際、破損を防ぐためにクロック速度を下げる機構)が起こらないとの噂が報じられている。

Galaxy S23シリーズのSoCとしてはクアルコムのSnapdragon 8 Gen2が採用されつつも、基本クロック数が3.2GHzから3.36GHzに高速化された強化版が搭載されるとの予想が有力となっている

が、その一方でベンチマーク結果と称される数値のうち、マルチコアスコアは予想外に低かった。10月に流出したものをはじめとして、シングルコアスコアは同じSnapdragon 8 Gen2を使った他社のスマートフォンとほぼ同じながら、マルチコアスコアは下回っていたのだ。有名リーカーIce universe氏も、マルチコアが5000にはるかに及ばないことについて不思議だと指摘していた。

この原因についてIce universe氏は、S23シリーズがコスト削減のためにヒートシンクを減らしたため「熱くなり、パフォーマンスが落ちた」、つまりスロットリングが起こったのではないかと推測。オーバークロックした結果、加熱したことで逆に性能が落ちたとの仮説を唱えていた。

が、その後に発見されたベンチマーク結果では、マルチコアスコアが5179となっていた。これにより、サムスンが性能低下の原因となっていた加熱の問題を克服した可能性が浮上した格好だ。

さらにリーカーのAhmed Qwaider氏は、Galaxy S23シリーズには改善された冷却システムが採用されたと述べている。Galaxy S23+のそれはS22+の2.8倍、Galaxy S23 UltraはS22 Ultraよりも2.3倍も強力になっているとのことだ。

冷却システムの改善とプロセッサーをSnapdragon 8 Gen 2に替えることで、Galaxy S23シリーズはバッテリー駆動時間が長くなり、発熱も少なくなると予想されている。

S22シリーズの前Snapdragon 8 Gen 1チップと比較して、CPU性能が36%、GPU性能が48%、AI機能を処理するNPUは60%も向上しているそうだ。

たとえSoCを通常版よりオーバークロックしたとしても、フル稼働時に加熱してスロットリングにより性能が下がるようでは意味がない。Galaxy S22シリーズでは意図的にパフォーマンスを落として過熱を防ぐGOS(ゲーム最適化サービス)をユーザーに説明なく搭載したことが批判を集め、ついには集団訴訟にも発展していただけに、サムスンも抜かりなく考慮しているのかもしれない。

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