Twitterの前途はいかに

Twitter元CEOのドーシー氏、大量解雇を謝罪。有名人が離脱の動きも

Image:Twitter / Gadget Gate

Twitterの元CEOだったジャック・ドーシー氏が、イーロン・マスク体制になったTwitterで従業員が大量解雇される事態になったことに対し「自分が非難されるのは仕方ないことだ」と述べている。

これはマスク氏による買収と、Twitterの従業員の約50%が削減されるという大量解雇で混乱するTwitter従業員が、ドーシー氏を非難しているとする11月5日のNew York Postの記事に対するコメントだ。

ドーシー氏は「Twitterの従業員は強く、立ち上がる力を持っている。彼らはどんなに困難な時も、必ず進むべき道を見つけるだろう。多くの人が私に腹を立てていることは承知している。なぜ皆がこのような状況にあるのか、その責任は私にある。私は会社の規模を早く大きくしすぎたからだ。そのことについて謝罪する」と語った。

ドーシー氏は過去、TwitterのCEO職を2度担っている。最初は2007年に追い出される格好でTwitterを離れたものの、2015年に復帰し、昨年11月まで再びCEOを務めていた。その後、ドーシー氏はパラグ・アグラワル氏を自分の後任としてプラットフォームを任せた。

ドーシー氏はマスク氏が最初にTwitterを買収する意向を表明したとき「イーロンは私が信頼できるただひとつのソリューションだ」とまで述べて、いち早くそれを支持した。その後マスク氏が買収から手を引こうとした際は特にコメントはしていなかったが、9月にはドーシー氏が早くからマスク氏に対して、Twitterへ積極的に関与して欲しいと考えていたことが明らかになった。

また、10月27日に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、マスク氏が買収を完了した時点で、ドーシー氏はまだTwitterの株式2.4%を保持していることが明らかになっている。

マスク氏は買収成立後、速やかにアグラワル氏を初めとする幹部のほとんどを解雇し、さらにコンテンツモデレーションを担当するチームの15%を含む、Twitter従業員の全社的な解雇を開始した。

Twitter従業員の一部のグループは、この動きに対して米国雇用法における労働者調整・再訓練予告法(WARN)、およびカリフォルニア州の同法に沿った十分な通知が事前になかったとして、会社を相手に集団訴訟を起こしている。また、BBCなどが伝えるところでは、フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズ、ファイザー、ゼネラル・ミルズ(ハーゲンダッツの親会社)、モンデリーズ・インターナショナルといった大企業が、ここ数日のあいだにTwitterへの広告支出を停止している。

また著名人のなかにも、マスク氏体制になったTwitterから離れる動きがちらほらと見え始めた。

1990年代に大ヒットを連発したR&B歌手で女優のトニ・ブラクストンは「『言論の自由』を笠に着たヘイトスピーチは受け入れられません。したがって、Twitterは私自身、私の息子、および他のPOC(person of colour:有色人種)にとって安全な場所ではなくなったため、Twitterに近づかないことを選択しました」とコメントしている。

また『オーシャンズ13』や、日本ではNetflixで配信されているドラマ『ビリオンズ』のショーランナーであるブライアン・コッペルマン氏も、アカウントは残っているものの、投稿を停止したと伝えられている

一方、新CEOのマスク氏はこれまでほぼ広告に依存してきたTwitterの収益構造を、Twitter Blueなどへの手入れによって変えようとしている。

なお、ドーシー氏は従業員に対する謝罪の言葉に続けて「私は、これまでTwitterに携わってきたすべての人に感謝し、彼らを愛している。いまこの瞬間も…これからも…(もちろん)お互いにそれを期待しているわけではないし、そのことは理解している」とツイートした。

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