新時代到来 or 終わりの始まり

マスク氏、Twitter買収を完了。CEO、CFOほか複数幹部を解雇

Image:Gadget Gate

半年にわたって繰り広げられてきた、イーロン・マスク氏とTwitterのあいだの買収をめぐる攻防に、ようやく幕が下りたようだ。マスク氏がTwitterの買収取り引きを完了したことで、CEOのパラグ・アグラワル氏、最高財務責任者のネッド・シーガル氏をはじめとする数人の幹部が退職することになったと、CNBCやBloombergなどが相次いで報じている。

Wall Street Journalは木曜日「マスク氏は取引終了後、最高経営責任者のパラグ・アグラワルと最高財務責任者のネッド・シーガルを解雇した」と伝えた。またTwitterを離れることになった幹部の中には、法務部門の責任者ヴィジャヤ・ガッデ氏と顧問弁護士のショーン・エジェット氏も含まれる。

マスク氏は以前、Twitter上でドナルド・トランプ氏の永久追放を決断したガッデ氏のコンテンツモデレーションへのアプローチを批判していた。

またアグラワルCEOとマスク氏は根本的に反りが合わない部分があったようで、昨年11月に当時のCEOだったジャック・ドーシー氏が、その立場をアグラワル氏に引き継いだとき、マスク氏はそれに対してウ〇コ絵文字をツイートしており、その確執を複数の媒体が伝えていた。

結局マスク氏は、10月28日にデラウエア州衝平法裁判所での裁判が開始すればかなり不利な状況になるため、複数の銀行から資金を得て水曜日にTwitter本社へ乗り込み、翌日に取り引きを完了させた。アグラワル氏の後、誰がCEOになるかはまだわかっていないが、記事執筆時点でマスク氏のTwitterにおける肩書きは「Chief Twit」に変更されている。

マスク氏は先日、Twitterを買収すれば従業員の75%を解雇するとツイートし、この屈指のSNSを2000強の人員で回す予定と投資家に述べたことが報じられた。しかしTwitterに乗り込んだ後、マスク氏はそのようなことはしないと述べている。

また、これまで取り組まれてきたTwitterのモデレーションと安全性への取り組みを撤回すると大々的に語ってもいたが、この発言は広告主を警戒させていることを知ったのか、木曜日には 「Twitterは明らかに、何を言っても結果が伴わない自由な地獄のようなものにはなり得ない!」と書簡を発表していた。

マスク氏が取り引きを完了したことで、以前のマスク氏の発言から、Twitterは非公開企業になるものと思われる。またマスク氏はTwitterを買収する理由に「言論の自由を守るため」との言葉を掲げているが、一方で、もしサービス提供先の国の政府がそれを望めば、言論を制限する意志もあるとしている。これがどの国を想定しているかは不明だ。

マスク氏はTwitterを所有したあと、これからこのプラットフォームの舵をどう切るのか。まだ公には語っていないが、これまでの経緯から考えれば、永久追放されたドナルド・トランプ氏のアカウントを復活させたり、自動化されたボットアカウントを駆逐することなどは可能性が高そうだ。

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