半導体部門はスマホ部門への長期供給を拒否

サムスン、スマートフォン事業が初の赤字

多根清史

Image:Wongsakorn 2468/Shutterstock.com

サムスンの最新決算説明会で、スマートフォン事業(MX)は販売が「堅調」だったにもかかわらず、初の四半期営業損失を記録したことが明らかになった。同社全体は「RAMageddon」とも呼ばれるメモリ価格急騰を追い風に過去最高益を更新した一方で、スマートフォン事業は逆風に直面した格好である。

同社のMX・ネットワーク事業は、2026年4~6月期に約33.2兆ウォン(約2兆3,700億円)の売上を計上した。フラッグシップ機「Galaxy S26」シリーズと中価格帯「Galaxy A」シリーズの好調な販売により前年同期比で増収となったものの、営業損益は約7,000億ウォン(約4億7,600万ドル)の損失へ転落した。その原因として、「部品コストの上昇」などによる「コスト負担の増加」が挙げられている。

テレビや家電を含むDX(Device eXperience)部門全体でも8,000億ウォン(約5億5,000万ドル)の損失を計上したが、損失の主な要因はスマートフォン事業だった。

この兆候は以前から現れていた。サムスンは数か月前からこの問題を懸念していたと報じられており、3月と4月には損失の可能性について社内で協議しているとする報道もあった

サムスングループには半導体部門もあるため、AI需要が引き起こしたメモリ不足・高騰のなかでも、スマートフォン事業は影響を受けにくいとの見方もあった。

しかし、半導体部門はスマートフォン部門からの1年以上にわたるメモリ長期供給要請を拒否し、サムスン幹部が介入したものの、最終的には3か月ごとの契約更新に落ち着いたと報じられている

これはアップルなど他社と同等の条件にすぎず、価格面で特別な優遇は受けられなかったようだ。半導体部門は、メモリ不足による価格高騰を追い風として収益を最大化することを優先したとみられる。

サムスンは第3四半期について、「Ultra」シリーズや「Galaxy Z Fold 8」シリーズなどの高付加価値製品に注力し、成長を牽引する方針を示している。

これまでのところ、フラグシップ級のスマートフォンは市場環境の影響を比較的受けにくい一方、低価格帯スマートフォンは部品コストの上昇により利益を確保しにくい状況が続いている。

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