海外技術への依存を減らすことは中国政府の国策

Xiaomi、スマホ向け独自設計チップを開発中か。電気自動車にも活用へ?

Image:Andrea Aimar/Shutterstock.com

中国XiaomiがGoogleのTensorチップのように、次期スマートフォン向けに自社設計のモバイルチップセットを準備中だと米Bloombergが報じている。

ほとんどのAndroidスマートフォンは、クアルコムまたはMediaTek製のチップを搭載している。フラグシップ向けにはもっぱらクアルコムのSnapdragonチップが採用され、近年ではMediaTekのDimensityチップがシェアを伸ばしつつある。サムスンも、一部の地域や低価格デバイスに独自設計・製造のExynosチップを使っている。

その大きな例外の1つが、Googleが2021年のPixel 6シリーズから採用しているTensorシリーズチップだ。これまではサムスンのExynosチップをベースとしていたが(製造もサムスン)、2025年の「Tensor G5」からは完全に自社設計となり、製造もTSMCに移行すると予想されている

Bloomberg報道によれば、Xiaomiは独自開発チップの量産を2025年から開始し、同年に自社製デバイスで使う予定だという。海外サプライヤーであるクアルコムとMediaTekへの依存を減らすため、とのことだ。

このXiaomiの動きは、中国政府が国内企業に海外技術への依存をできるだけ減らすよう強く求めていることにも沿うものだ。

また、自社製チップは同社のコネクテッドEV(ネットや他の機器と接続し、様々な機能やサービスを実現する電気自動車)事業にも役立つとのことだ。Xiaomiは今年、初のEV「SU7」を発売し、予約開始から27分で5万台を受注したことが注目を集めていた。

もっとも現時点では、Xiaomiが今後クアルコム製のチップ採用を止めるのか、機種により棲み分けを図るのかどうか不明だ。最近発表されたフラッグシップ機のXiaomi 15シリーズは、Snapdragon 8 Eliteを搭載している。

また、高性能なチップとなる場合、最先端の製造技術を持つ台湾TSMCとの契約が必須となるが、米政府は同社に中国企業との取引を縮小するよう圧力を強めている。今のところXiaomiは規制対象外だが、今後の展開を見守りたいところだ。

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